1F troisではギャラリー島田の所蔵する山内雅夫さんの作品をご覧いただいております。

展覧会紹介ページはこちらのリンクからご覧ください。

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ジンクホワイトという絵具を塗り重ねて塗り重ねて、白い石板のようになった作品が並びます。

作品によっては、サヌカイトという石が埋めこまれ、黒く鋭い断面をのぞかせています。

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山内雅夫さん、そして地階unでやはりコレクション展を開催中の武内ヒロクニさんも、画廊主 島田誠の著書『絵に生きる 絵を生きる -五人の作家の力-』(風来舎)で取り上げられた「五人」のうちのお二人です。

「白に生きる」と題された山内雅夫さんの章。

 「山内雅夫とは、人が存在することの意味、美が美であることとはどういうことかを問いつづけ、宗教の海を泳ぎ、哲学の森へ分け入り、表現の山頂をめざす人。それを観念の世界にとどめることなく…白く巨大な画面に塗り込める人。不易であるものを求めつづけて私の前に立ちはだかったとんでもない巨人」

山内さんの印象をこんなふうに述べています。

 「『島田さんは、ぼくのことをわかっていないから』と何十回もいわれた気がする。被虐嗜好と鈍感力に優れた私だからお付き合いを続けられたのかもしれない」

このくだりなんかはちょっと笑ってしまいます。

 確かに、どうしてこんな苦行のような作業をつづけるのだろう、と容易な理解をはねつけるような作品ではあるのですが、もしかしたら、この絵の具の塊を、これをそのまま見てくれといっているのかもしれない、とも思ったり。

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山本忠勝さんはその評論で山内さんの作品を「光の堆積」だといいました。

「つまりジンクホワイトの分厚い層が、ついには光の貯水槽、つまり光のダムの役割を担うことになるのである。水なら光を通過させてしまうからそこに光の痕跡は残らない。だが山内が構築する絵の具のダムには、光が大量に滞留する。むしろ光が物質となって留まるのだ」

(『坂の上の作家たち -ギャラリー島田という絶壁- 山本忠勝評論集』所収「宇宙を横切る手 山内雅夫展『MONUMENT』」より)

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ギャラリー島田以外ではなかなか見る機会のない作家さんです。

ぜひ直接作品をご覧になって、力強くそれでいて静謐な、その無二の佇まいに接していただきたく思います。

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(スタッフT)