1F troisでは黒川紳輝展がはじまっています。

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もともと平面作品、主に抽象絵画を描かれていた黒川さん。

平面とも立体とも言い難いような、現在の作風に変わってゆくきっかけは額作りにあったそうです。

額を自作することで自由さと出会い、さらにはキャンバスを自作することで額を脱ぎ捨てます。

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層をなし、浮かび、一見オブジェのようですが、いまもずっと平面作品を作り続けているのです。

レイヤーやギャップ(現実の凹凸)と書き込まれた陰影(仮想の奥行)によって、

立ち上がりながらも平面にとどまる幾何学的なモチーフに、どうしていいのか分からず、見つめます。

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空間のところどころに配置される棒や箱のようなものは、空間を処理するための仕掛けであり、

例えるなら絵の中の影や線のような役割だと黒川さんは言います。

強調したり、調和したり、まるでブレス(息継ぎ)や、句読点のようなものなのかもしれません。

 

ちなみに、今回はこんな作品も。

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これはさすがに平面とは言えないねえと笑っておられました。

 

黒川さんの作品は写真で見るのと、実際とでまた、がらりと変わるのです。

黒川紳輝展は2月19日(水)まで。ぜひご覧ください。

 

(M)

 

藤崎孝敏展「暁闇」に寄せて

藤崎さんとは1994年に出会いました。

何処までも暗い画面に浮かび上がる貧しい人々や、悲痛で 過酷な運命を背負い、放心し、何かに憑かれたような表情。

ひりひりと心が痛み、触っただけで血が 吹き出すような画面。

何気なくおかれた部屋の隅の酒瓶や香水瓶にすら、ただならぬ藤崎の魂に在り様にみえます。
 

暁闇(近)
正面にある大作は「暁闇」 。

夜明け前の月も星もなき闇はもっとも濃く、その静けさもまた最も深い。暁闇にひとり荒野の石に座するが 如き青年がこちらを凝視する。

その瞳を見よ。その足を見よ。その手を見よ。

孤独な魂をこれほど見事に描ききった作品を見たことがない。

教会のある裏通り

野の花と球根

教会のある裏通り。

廃墟のごとき風景。

教会は荒れ寂れた気配が漂い、

花瓶にあるのは野の花、転がされた球根にも命の輝きもなく、でも強く促す沈黙が支配して、美しい。

オステンドの朝に昇る陽すら静寂のうちにある。

壁面3

壁面1

ギャラリーのコレクション+ 展 コレクターによる藤崎考敏展。

会期、半ばで展示替えもいたします。

是非 お運び下さい。 (蝙蝠)

Olivia

※展覧会紹介ページは、どうぞこちらをご覧ください

NYでの国連気候行動サミット(2019.9.23)でのグレタ・トゥーンベリさんのスピーチを受けとめる。

温暖化危機にとどまらず有ってはならないこと、やってはいけないことに抗わない私たちの日々が、政治やメディアの世界で、目くらましに流されていく。地球環境のみならず人が人であることを壊して恥じない。「原爆」「原発」「戦禍」「地震」を身近に体験していながらの私たちがトゥーンベリの怒りへの余りの鈍感さを恥じる。日々、溢れかえる美談に背を向け表現の世界で身を挺する作家たちと私たちも共にありたい。本展は2019年11月12日の第377回神戸塾での港大尋ライブパフォーマンス「トゥーンベリさんへの音楽による応答」を受けての「コレクション+」の展覧会です。

藤井千尋「Resentment~その向こう側」

藤飯千尋「Resentment~その向こう側」

トゥンベリさんが「私たちの家は燃えている」と訴えた通り、この10年の気温は過去最高となり、水の都ベネチアは高潮による浸水に見舞われ、ブラジルの熱帯雨林やオーストラリアの森林が火災で燃えている。今、私たちが成すべきことは廃棄物の処理のことだけではもちろんない。日々、目の前、身の回りで起こり続けている「やってはいけないこと」「やらせてはいけないこと」に抗いつづける強い意志。それを表現している作家、作品をギャラリー島田のコレクションと、依頼作家と構成してご覧いただきます。

 

加藤竜

加藤竜の作品

まずは、まっすぐに応答しているのがベルリン在住で2017年に招聘した加藤竜の「プラスチィックの脅威」、「エネルギー消費大国」。

 

上村・矢原・梅田

上村亮太「Butterfly mountain」・矢原繁長「Future」・梅田恭子「月水月骨」

「アネモネ戦争」のプロジェクトの上村亮太「森の人」「Butterfly mountain」

 

梅田恭子の作品

梅田恭子「跳べ」

大竹作品

大竹茂夫の作品

ずっと危機を訴えてきた藤飯千尋「Resentment~その向こう側」「私たちの地球」、繊細に震え、訴え続けてきた梅田恭子「跳べ」と「Strange  Fruit-Hanging  Tree」、大竹茂夫の人類死滅後の粘菌者の王国、井上廣子「ベーリッツ療養所」など。

 

切断の壁

須田剋太の大書「切断」が、強く促しているようです。
興味深い作品が並びました。

 

東山作品

東山嘉事「非共存の哲学」

BFへの階段でお迎えするのが東山嘉事「非共存の哲学」です。機械文明と人間が一体となり「共存」「非共存」を問いかけた名作ですが、1992年の作です。すでに風化がすすみ象徴的ですね。

ほかに、近藤明、柴田汲、 釣秋桜、ミズタニカエコらの作品もご覧いただきます。

私たちの身勝手さ、欲望の行きつく先を次世代に渡さない。このためには「私が」「あなたが」、果たさなければならないことを「果たす」。そんな思いを伝えたい。

(蝙蝠)

 

1995年1月17日。

人も地も、それまでとそれからを抱え25年の時がながれた。

 

あの日、生を絶たれた津高和一、大島幸子の作品。

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生かされた作家たちは、現実の風景と自らの内面を見つめつづける。

 

「1997年1月17日 長田」。林哲夫の描く長田はもうもうと煙をあげながらも、どこか救いを感じさせる。祈りが黒煙に飲み込まれないよう、ひかりを放っている。

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ときを経ても、かなしみは減らない。けれど、なくしたと思っていた人やものが、別のかたちで存在することを確信してきた25年という年月。

 

中島由夫の「春の訪れ」に、ようやく無限のいのちを感じとることができた。

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ギャラリー島田のあるハンター坂を下っていくと、山手幹線の横断歩道の向かいのビルに、あの日の5時46分をさしたままの時計が目に入る。止まったままで生きている時計が、そっと時間のやさしさを教えてくれる。(K)

 

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昨年末のNHKでのドキュメンタリーの放送、そして自伝の出版と、大きなトピックが続く木下晋さんの展覧会をB1 unにて開催しています。

展覧会紹介ページはこちらのリンクをご覧ください

ドキュメンタリー番組「日々、われらの日々~鉛筆画家 木下晋 妻を描く」では、パーキンソン病を患い闘病生活を続けておられる奥様の君子さんを、木下さんが介護しつつ描く日々が映し出されていました。

番組の中でも紹介された、手を組んで横たわる奥様を描いた「願い」(2019年)、そしてまさに撮影中に制作の途上にあった、これも奥様のうしろ姿を描いた「生命の営み」、そのいずれの作品も会場でご覧いただけます。

 

「生命の営み」展示の様子

「生命の営み」展示の様子

 

同じく昨年12月に出版された『いのちを刻む 鉛筆画の鬼才、木下晋自伝』(編著 城島徹)。

一人の人間の上にこれほど多くの悲哀が降り積もっていくものか…と、これを「面白い」などと言ってはあまりに不謹慎ですが、読み始めると途中でとまらなくなってしまうご本です。

また、この自伝の大きな魅力として、木下さんがモデルとして描いてきた元ハンセン病患者で詩人の桜井哲夫さん、「最後の瞽女(ごぜ)」小林ハルさんらをはじめ、白洲正子さん、荒川修作さん、現代画廊の洲之内徹さん、山折哲雄さんなど錚々たる人々が登場し、その出会いがドラマティックに、ときにユーモラスに語られています。

個人的には、瞽女(盲目の旅芸人)の小林ハルさんに、木下さんが「生まれ変わったら何になりたいですか」と尋ねたときのエピソードが深く胸に刺さりました。

そして付け加えさせていただくなら、そうして登場する誰にもまして深い印象を残すのは、木下さんが憎み、愛し、そして描いた放浪癖をお持ちだったというお母様、その何とも言いようのない強烈な存在感です。

 

いのちを刻む

「いのちを刻む」会場でお求めいただけます

 

さて、『いのちを刻む』の出版元である藤原書店の藤原良雄社長と木下さんのギャラリートークが1月11日に催され、大変多くのお客様にお越しいただきました。

お話の内容は多岐にわたりましたが、ドキュメンタリーの撮影時に、テレビ側は「いちばんいいところ」(作品の重要な部分)を描いている姿を撮りたい、木下さんはそこをいちばん撮られたくない…ということで繰り広げられた「攻防戦」の裏話などもお聞かせいただき、会場が笑いに包まれることもしばしばでした。

そして今回、自伝出版のために出版社側が昔の新聞記事を調べ、木下さんご自身はっきりとご存じなかった、お父様が亡くなられたときの詳しい状況を、実に50年以上の時を経て知ったというお話。

さらに、17歳という若さで画家デビューを果たしたときの記事も見つかり、それが自伝を出して良かったと思ったことだとおっしゃっていました。

また、トークのお相手の藤原良雄さんは、木下さんの半生を踏まえ、物質的・精神的な「飢え」というものの重要さを力強くお話しになりました。

 

木下晋さん(奥)と藤原良雄さん(手前)

木下晋さん(奥)と藤原良雄さん(手前)

 

上にご紹介した奥様をモデルとした近作をはじめとして、桜井哲夫さん、小林ハルさんらを描いた木下さんの代表作といえる作品を集めた、非常に充実した作品展となっています。

映像では決して伝わらない繊細な鉛筆のタッチを、そして圧倒される迫力と深みを間近でご覧いただける貴重な機会です。

会期は1月22日までです、どうぞお見逃しになりませんよう。

皆様のご来廊を心よりお待ちしております。(T)

 

トーク3

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人と防災未来センターで行われている、「117BOX・いいなの箱展」に島田誠が出展しています。

震災から今日までを振り返った時、多くの人に知ってもらいたい「思い」をひとつの「モノ」の展示を通して伝えようという取り組み。
様々なジャンルの117人が参加予定の企画です。(参加者がどんどん増えていく試み)

117BOX)島田展示

島田はアートエイド神戸の記録と加川広重巨大絵画プロジェクトの記録を展示しています。

(中はお読みいただけないので、ギャラリー島田にてどうぞ。人と防災未来センターでは、他の方の展示を堪能していただきたいと思います。)

 

企画展「117BOX・いいなの箱展」

 会期:2019年10月8日(火)~2020年2月24日(月祝)

   ※開催期間中の無料観覧日;10/17(木)、11/17(日)、12/17(火)、1/17(金)、2/18(火)

会場:阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター 西館2F 防災未来ギャラリー(有料ゾーン)

井上よう子展・櫻井類展も好評のうちに終了し、

今年の展覧会も、松井禾風(かふう)さん主宰の華道 壮風会「現代生け花・美術」展を残すのみとなりました。

本年も皆様に大変お世話になりましたこと、心よりお礼を申し上げます。

ありがとうございました。

 

12/15日に催された櫻井類さんと中井浩史さんのギャラリートークの様子

12/15日に催された櫻井類さんと中井浩史さんのギャラリートークの様子

 

さて、ギャラリー島田は12月19―20日の作業日をはさみまして、

12月21日(土)―24日(火)の会期で、上述の、華道 壮風会「現代生け花・美術」展を開催いたします。

(こちらの展覧会へのお問い合わせはギャラリー島田ではなく、華道 壮風会 https://soufookai.wixsite.com/index までお願いいたします。)

 

 

そしてその後、12月21日より2020年1月5日(日)まで冬季休廊とさせていただきます。

 

 

2020年最初の展覧会は、1月8日(水)より1月22日(水)までの会期で、

 

 地階unにて「木下晋展 いのちを刻む」(→展覧会紹介ページ

 

 1F deuxとtroisにて、コレクション+ シリーズ No.7「25年目の1.17」(→展覧会紹介ページ

を開催いたします。

 

木下晋さんの展覧会では、島田誠を聞き手としてアーティストトークの開催も予定しております。

詳細は上記の展覧会紹介ページをご覧ください。

 

 

それでは引き続き、ギャラリー島田2020年の企画にも、どうぞご期待ください。

来年もギャラリー島田を、どうぞよろしくお願いいたします。

 

スタッフ一同

年明けにスタートいたします、木下晋展「いのちを刻む」のため、

お忙しい木下さんが東京から作品を携えて来廊くださいました。

年末最後の展覧会、櫻井類展の会場にて、その作品は柔らかな光を放ちました。

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櫻井さんの作品に赤札がいっぱいついているのを見て、「すごいね~真っ赤だね~!僕のはいつも真っ白だけどね~!」と満面の笑み(?)の木下さん。

なんだか布袋尊のようです。一足お先に七福神。

 

そして、この後、ギャラリーを後にした木下さんは、美木剛さんに会いに。

(美木さんは木下晋作品をコレクションされている、神戸の伝説のフレンチ「ジャンムーラン」のオーナー・シェフであられます。)

このたび発刊される木下さんの自伝の見本本を見て、大喜びされています。

「すごい!藤原書店からでるなんて!すごい!」とご自分のことのように喜んでくださっています。

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帰り道、木下さんは美木さんとの思い出を語ってくださいました。

「フレンチレストランに、僕のあの大きな大合掌図を飾るなんて、びっくりしたよ!思いもよらないよね、レストランに普通は飾らないよね… 凡人には考えられないよ。ほんと凄い。」

と嬉しそう…!

しかし、本当にそうですね、レストランに木下晋作品、とはなかなかの心意気です。さすが、世界のジャンムーラン、美木さんです!

 

素敵な時間をご一緒させていただき、

なんだか新しい年を迎える準備が始まった気がいたしました。

 

 

さて、その自伝についてはこちら

木下晋著、城島徹編著『いのちを刻む――鉛筆画の鬼才、木下晋自伝』(藤原書店)

2019年12月発刊

9784865782530

人間存在の意味とは何か、私はなぜ生きるか。芸術とは何か。
ハンセン病元患者、瞽女、パーキンソン病を患う我が妻……
極限を超えた存在は、最も美しく、最も魂を打つ。
彼らを描くモノクロームの鉛筆画の徹底したリアリズムから溢れ出す、人間への愛。
極貧と放浪の少年時代から現在までを語り尽くす。

(藤原書店新刊紹介ページより)

http://www.fujiwara-shoten-store.jp/SHOP/9784865782530.html?_ga=2.217940950.1726549115.1576731199-2041028025.1576731199

 

藤原書店のトップページにも掲載されています。

http://www.fujiwara-shoten.co.jp/

 

 

そして、このタイミングで、

木下晋さんがNHKのETV特集に出演されます。

パーキンソン病に苦しむ奥様との日々をおったドキュメンタリーです。

ETV特集「日々、われらの日々~鉛筆画家 木下晋 妻を描く~」

2019年12月21日(土)23:00~24:00  NHK  Eテレ

ETV

https://www4.nhk.or.jp/etv21c/x/2019-12-21/31/30486/2259685/

 

 

あわせてご覧いただき、

年明けの木下晋展「いのちを刻む」へ気持ちを高めていただけましたら、幸いです。

 

 

年明けにスタートいたします、木下晋展「いのちを刻む」の情報はこちら→http://gallery-shimada.com/?p=6668

ETV特集に登場する5つの作品がすべて集結いたします。

木下晋の集大成をご覧いただける展覧会となります。

ご期待ください。

 

スタッフ:容

 

復興大2019ポスター

 

2019年12月15日(日)14:00~16:00

特別まちサロン/まちづくりラボ

復興まちづくりとアート ーーアートはどのような役割を果たしたか

ゲスト:島田誠(アートエイド神戸)

    石田裕之(防災音楽ユニットBloom Works)

 

島田は、前半の1時間ほど、アートアイド神戸や被災者復興支援会議などのお話をさせていただきます。
後半はシンガーソングライターの石田裕之さんが、東北や神戸での音楽を通じた支援活動や防災音楽デュオのお話をされます。

参加無料、予約不要です。

ご興味ございましたら、ぜひご参加ください。

井上よう子 ―言葉がくれたもの―  12/7(土)〜12/18(水) 1F deux & trois

 

井上よう子展、今年は1Fの2会場を使っての展示です。

昨年の地下での展示の様子はこちらから→http://gallery-shimada.com/blog/?p=7850

1Fは陽の光が入ることもあってか、また違った空気が流れています。

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入念な準備をもとに、最後はやはり現場での感覚。調整は必須です。

展示作業中の井上さんはいつもの柔らかな印象に、ほのかな鋭さ、強さを帯びています。

スタッフもその思いに答えたいと、強く思う瞬間です。

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今回の井上よう子さんの展示は「―言葉がくれたもの―」と題されています。

井上さんがこれまで影響を受けた言葉が作品とともに展示されています。

井上さんという人を通して作品と繋がっている言葉たちもまた、井上さんの作品のように、そして井上さんのように、静かに、寄り添ってくれます。

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初日のオープニングの一コマ。

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なんとこの冬一番の寒い日だったそうなのですが、会場はあたたかい空気で満たされていました。

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井上よう子展 ―言葉がくれたもの―、12月18日(水)まで開催です。ぜひ会場でご覧ください。

地下の櫻井類展とあわせて、ギャラリー島田の幅の広さも体感してください!

 

(M)