角りわ子・精進の人
角りわ子さんは、私が住む信濃北御牧村の煉性のつよい畑つちを頑固に焼きつづける作家だ。私が「精進百選」出版したとき、百点を越す大鉢、小皿を焼いてくれた多数の読者が本の写真を見て誉めた。料理ではなく、皿や鉢を。 日頃から角さんの容器で暮らしていると、よそへ出たとき、かすかな寂寞をもてあますのが常である。あ、あの皿がないぞと思うのだ。形も色も独自で一見して洋風な線描画も陶のもつ東洋の地風を滲みしていて、まことの味が深い。
個性の多彩さは、まったく、精進の人だと思わせる。水上 勉
作家来廊 11日、12日、13日 23日、24日、25日
◆1F deuxにて 12:00~19:00
※火曜日は~18:00、最終日は~16:00まで。