内海聖子展

「私は私」
好むと好まざるとに関わらず、人は何らかの組織に属して生きています。
そこでは、他人からの評価によって、自分が決定されてしまうのが常です。そして、他人からの評価そのままに、自分自身を評価してしまうことがあります。勘違いして有頂天になるのはまだいいのです。卑下しはじめると、とことん落ち込みます。自分らしさを否定する考えさえ浮かんできます。その一方で、他人の評価に影響されることのない自分、ぶれることのない真の自分を見出そうとします。
ある日、そんなことをモヤモヤと繰り返していると、どこからともなく小さな生き物たちが現れて、すれ違いざまに「私は私」と言い放ちました。この度の作品の多くは、人生を達観できずに立ち止まっている私と、人生を達観して淡々と前へ進んで行く彼らとの、静かな交流から生まれたものです。「私は私…」彼らに倣って呪文のように唱えてみると、体の奥からゆっくりと、静かな勇気が湧いてきます。

内海 聖子

3年毎に発表する内海聖子の新しいミクロコスモス。ボールペンの微細な丸が、集積することによってミクロの世界へ誘う。その極微的、偏執的営為そのものに人を惹きつけるものがあり、それらが鋭角的にも立体的にも、粘性をもった姿態ともなり、凝視すれば、作家の内奥の宇宙的な無限の旅の同行者となる。そうした内海の内的風景にも変化が現れてきた。それは徹底と脱力という反するものを感じさせ、表現の幅の拡がりへと繋がってきた。それは、作家として自らの文体を獲得したという証左であり、ギャラリー 空間全体を使っての内海聖子の世界を楽しみにしている。

島田 誠

◆1F deuxにて 12:00~19:00
※火曜日は~18:00、最終日は~16:00まで。

■会場の様子 ※画像をクリックすると拡大して表示されます。

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