ぼくの使命は、この世にヒューマンな人々に、弱いながらの愛をもとめて生きる人間を描くためにある。
現代に生きる哀しみの人々を歌うことである。
その使命を終えて、あの世に行くだけの人生で、神がどれだけ生かしてくれるかだ。
高野卯港(『高野卯港画文帖 夢の道』より)

 

8月15日朝、夢に目覚める。一切れの焼菓子があらわれた。茶色い層の塊りは強烈で厚みがあった。それにしても‥と振り返るこの日、あぁ卯港さんだ、と確信した。数日来、中井三成堂画廊での個展案内を探していた。『タカノウコウのパリ日記』と題されたDMと短信は2007年4月、花見でもしたいですね。と書いてある。姫路方面知人がいなくてハガキが余りそうです。この言葉が分厚い。卯港さんはパッと見て終わりということをしない人だ。それなのに絵は、言葉とともに消える刻がある。美しい体験を自らの意志でするために。「空間処理がね。俳句もでしょ」少しの会話が光景になり卯港さんが現れる。
世の中はいいものなのかもしれないですね。
山口砂代里

会場:1F deux
会期:2021年10月2日(土)-10月13日(水)
11:00-18:00  ※最終日は16:00まで