普通でない「時」が続いている。日本中が、いや世界中が文字通り、目に見えぬ敵に右往左往している。しかし、普段と変わらぬように、雨は降り、強い日差しに蝉は鳴く。25年前の震災の時も普通でない「時」が長く続いた。物作りが止まり、数ヶ月経った時、これからのことを考えた。「何をすべきか?」「何ができるのか?」長い自問自答の中、明確な回答も得る事ができず、「何をするべきだったのか」「何ができたのか」だけが、今に残っている。今回もまた、長い長い自問自答が続く。結局、答えのないまま、ひたすらガラスを研磨することになるのだろうが、あれから25年の歳月が流れていることを忘れていた。

友定聖雄

 

自然との間で聖なるもの尊いものを交換する 極めて硬質であり反射しながら
うちに光を孕みこむ 反射(拒絶)しながら透過する 剛毅でありながら受容する
この不思議さ 凝固する生命体  樹々の揺らぎと饗応(コレスポンダンス)する
円環となれば、時には地球の丸みで熱を孕み 時には月となり冷たく冴えわたる
人々は樹々と交わり、石と交わり 空と交わる

友定さんとは教会をはじめとする文化圏、生活圏が重なる。三度目の個展は神戸市文化賞記念という意味合いより、一方的に神秘的な友定硝子世界に身を置きたいという思いがあってのことである。
島田誠

会場:1F trois
会期:2020年8月29日(土)- 9月8日(火)
11:00-18:00 ※最終日は16:00まで