東日本大震災から9年が過ぎようとしています。私が住む宮城では防潮堤の工事はまだ続いていますが、広範囲で整備されてきました。福島の町も、人が住むようになり大分雰囲気が変わってきたように思います。

私はこれまで高さ5M幅16Mほどの大画面で東日本大震災を描いてきました。その中の3点を神戸で展示した「加川広重巨大絵画が繋ぐ東北と神戸」(KIITO・2013-2015)、あれから5年近くが経ち、今度はギャラリー島田で、今描きたいことを表現します。

大規模な自然災害はほんの短い時間で、その場所で培って来たものを根こそぎ奪い去っていきます。すべてが片付けられた今になっても別の次元で、ずっとあの風景が続いているように思ったりもします。それは、被害の形は違えどもはるか昔から繰り返されている光景なのだと思います。

私はもう一度、撮影していた瓦礫の中にある生活の欠片を探したり、ずっと頭の中に残っている建築物をイメージしたり、被災地の現状から浮かんだアイデアを膨らませながら、自然災害から浮かび上がる人間や文明の儚さのようなものをギャラリー島田の壁面一杯に表現したいと考えています。
加川広重


2011年4月、仙台入りし「アーツエイド東北」の設立に関わった。6度目の東北入りの時に仙台メディアテークでの加川広重の「かさねがさねの思い」で「雪に包まれる被災地」と出会い、加川さんに是非、神戸で紹介したいと伝えた。なんの実現への見通しもないままに。

5.4mx16.4m。どこでというあてもなく。でもやらねばとだけ思いつめていた時に出会ったのがKIITOでした。加川さんの巨大画のためにあるとしか思えませんでした。そして2014年「南三陸の黄金」、2015年「フクシマ」。神戸の震災から20年に重なって開催されました。フクシマは今も収束していませんが、5年前にはさらに厳しい政治的課題でもあり、市の施設で市の協賛で開催するのですから、よくぞ実現したものです。こうした困難の数々を神がかり的に突破してきたのは加川広重の被災地、そしてそこに今なお暮らす人たちへの強い思いが伝わり、それは今、世界が直面していることとも直に繋がっているからです。今、巨大画は5作まで発表されています。今回は巨大画ではありませんがギャラリー島田の地下空間全体を使って加川広重展「3.11  夜が明けるまで」を開催いたします。

初日3月11日(水)は14:30から「加川広重:巨大絵画を語る」のトークがありますが、14:46に黙祷を捧げます。ご参集下さい。
島田誠

◆ 3月11日(水)14:30~ 「加川広重:巨大絵画を語る」 聞き手:島田容子 要予約・無料

本展は、開催を延期とさせていただきます。新しい会期は改めてお知らせいたします。

会場:B1 un
会期:2020年3月11日(水)- 25日(水)11:00-18:00  ※最終日は16:00まで