石井さんとの縁は、この画廊通信が繋いだ。1992年のことだ。通信に書いた私のエッセイの一つが「50才にして心朽ちたり」。
その齢いに死線を越えた。出会って一万日を重ねた。後藤正治「奇蹟の画家」が2009年、「情熱大陸」が2010年1月17日。
でも、この間、私たちも石井さんも淡々とあり続けてきた。静かに絵と対面していただく。そのための工夫を凝らしてきた。
長く価格も変わらない。石井さんの日常の佇まいも昔とほとんど変わらない。そして、その世界がゆっくりと広がり、深まり、変わることを見守ってきた。大阪、新潟、福岡と旅をし、いまは私どもと東京の二つの画廊で。熱狂ではないが、遠くから来られた皆さんが、静かに、長く、絵の前に佇み、終日あるいは泊りがけで静かに見いっておられたりする。
でも石井さんにとって絵を生み出す苦しみは深い。
今、ふと、思う。石井さんの「描けない」は、うんうんと苦しみながら短い文章でも「書けない」私に重なる。
島田誠

会場:B1 un
会期:2019年11月23日(土)- 12月4日(水)11:00-18:00
※最終日は16:00まで
<11月23日(土)は11:00より整理券を配布いたします>