間(あわい)の天使
もう30年くらいの間「天使」が僕の絵に現われている。それは一体どういうことだろう?  とこの10年ほど考えて来た。キリスト教美術では、神と人の間、天と地の間に「天使」を仮設し描いてみることで、西欧文明を推進するパースペクティブを見出すこととなる。日本にキリスト教の「天使」が広くわたるのは先の開国以降とされるが、それ以前に「天使」的なイメージはなかったか?  このところ西欧でも「天使」が妖精や精霊や鬼神といった存在と同様であるとの論考が出て来て、であればわが国はふるくより「天使」に溢れかえっていることとなる。能は、それらの存在と出会うあの世とこの世との間(あわい)を現出させる。そんな絵を描きたいと想って、薄いリネン布の表と裏から絵の具を染み渡らせてみる。表と裏の薄い間(あわい)に、幅広い天使像を浮かび上がらせようと。
寺門孝之

 

寺門孝之展を最初に手掛けたのが1995年の「天使たち」。豊かな色彩と物語を紡ぎ出す力を知った。単に輝くというのではなく透明感があり、1993年HOCKNEY’S OPERA展で見た印象と重なり「TERAKADO OPERA」を見たいと伝えた。ホックニーの空気感を寺門も持っていると直観したからだ。その後、天使を主題にしながら謎に包まれた濃厚な物語の気配を纏いはじめてきた。今回の主題に驚嘆した。精緻に研究しつくしたイタリア古典絵画の天使と能を融合させ、社会的課題を融合させた新作能を創作し、世界へと発信する、そのスタートを告げる場へようこそ。
島田誠

◆ 9月15日(日)18:30~ 寺門孝之ギャラリートーク ※要予約・無料
◆ 9月23日(月・祝)18:30~ 間(あわい)のデザイン研究所始動記念トーク スペシャルゲスト:三宅純 ※要予約・無料

会場:B1 un
会期:2019年9月14日(土)~9月25日(水)11:00-18:00
※最終日は16:00まで