私のその個展会場には津波や噴き上がる炎をイメージしたもの、地の音を聴くと名付けた作品などが並べてあった。入り口近くには予知めいて余りにも生々しい 地球は怒っている・・・云々のコピー文もあった。2011年3月11日の直後、記録的に少ない来場者、 いつ停電になるか分からない不安の中、私は往復3時間かけて自転車で会場に通って居るうちにふと ―地球の卵―を作ろうと思い立った。これはちいさな希望のように思えた。 板を用いる私のやり方で、出来るかも知れないと、分かったときは少し興奮した、いや、かなり。 それから作ったさまざまな形態の卵は80点を越えた。虚構のものを作っているうちに 地球の卵が実在しているような錯覚を抱いている自分に気付いて少し笑った。
松井鮎子

40億年の水の惑星に75億人。卵が育む一つの命。卵は星となり「天の河」となる。永遠なる彼方からの雫が地と天空を繋ぎ屹立し「地の河」は深海となる。松井はその奇蹟を深く抱き、ありえない手業で神秘を造形する。木を喰み、時を喰み、それはあなたへ架空の通信。
島田 誠

会場:B1F un
会期:4/20(土)~25(木)4月13日(土)~  4月24日(水)11:00-18:00
※最終日は16:00まで