ガガ・コヴェンチュークの巨体がギャラリーに現われた日のことを良く覚えている。そのいきさつについてはコラム「旅にしあれば」に片山ふえさんが書いて下さっているとおりです。
私もその時にアリョーシャに惹かれるものを感じて一点求めたのでした。そしてロシアの未来派の巨匠「ガガです、ガカの」と「ガガ版 南京虫―奇想喜劇」の2冊をいただいてずっと書斎の目の前において、この不思議な物語りの頁を開いたりしてきた。昨年だったろうか。片山さんと出会うことがあり、アリョーシャの作品データが届いた。このロシアの孤独を抱えた作品を紹介できないかと思いに浸った。単に展覧会を企画するのではなく、そこから生まれ、動き出すものが欲しいと願った。石井さんに話をし、アリョーシャの作品を見てもらった。
いつも「なかなか描けない」という石井さんが持ってきた作品群はいままでにない世界があった。魂が響き合うとはこういうことなのだと私の魂もまた揺さぶられた。ここに多くは語らないが、不思議な縁が形をなしてきた。
こんなことが起こるとは! 島田誠

日本初お目見えのアリョーシャ(アレクセイ・クリビン)はロシア・ペテルブルクで活躍する画家。高名な画家である祖父ニコライ・クリビン、父ガガ・コヴェンチュークから受け継いだ高い芸術性、そして自らの孤独な魂を見つめる深い眼差し……そんな彼の絵に共感したのが石井一男だった。静謐な世界に生きる二人の芸術家の魂が響き合う今回の展覧会、アリョーシャの絵に触発された石井一男はどんな新しい境地を見せてくれるのだろう。
片山ふえ(ロシア文学翻訳家)

会場:1F trois
会期:3月16日(土)〜 3月27日(水)11:00-18:00
※最終日は16:00まで