1998年の海文堂ギャラリー以来5回目、10年振りの個展です。以前、島田さんが「具象的なものから抽象へと、緩やかに行き来する作品」と紹介して下さいましたが、そう見通しておられたことに感じ入っています。〇や△や□といった形状を通して「いのちのカタチ」を探ろうという、いわば抽象化の試みをする中で、前に描いたことのある具象(モノの形)が立ち現れたりします。「ここまで来た」つもりが「元に戻った」ということなのでしょうか。できるなら、螺旋の道を歩みながらワンステップ上に…の想いは、この度もまた。
こんな小品たちに会っていただけましたら幸いです。
坪谷令子

児童書の海文堂と言われた初代の児童書担当は私でした。「兎の眼」(1974)も「太陽の子」(1978)も感動して力が入った。坪谷令子は ′77年に復刻された「せんせいけらいになれ」に絵を添えて以来、児童書の世界で絵を描き始めた。震災後の’97 年「灰谷健次郎といのちの広場展」(三宮フェニックスプラザ)の開催に協力。翌年、そのご縁で 個展をお願いした。 ′08年には永六輔との絵本「いのち」の原画展。蜜蝋を削り取るようにして描いた線に指した絵の具が熱を加える過程で飛び散り、にじみ、混ざり、まるで“いのち”が交歓しているようだった。灰谷健次郎をはじめとする作家との絵の仕事は、その全てにおいて内省し決断しながら自らの人生を選びとってきた静かな決意を滲ませている。永六輔、小宮山量平、浮田要三、趙博、オオタスセリ、松元ヒロ、真喜志好一、佐喜眞道夫など多くの人が円環をなし、そこに私も導かれた。今回は〇△□。二つのスペース全体は銀河系のように広がりながら時に煌めき、時に深く沈黙へいざない、今を生きる喜びと哀しみへと誘う。数多くの作品を選びながら私は音符を感じていた。ギャラリー空間に時に歓び、時に哀切の音楽が沈黙と測りあうほどに。私にとってそれはバッハであるか、武満徹であるのか。いずれにしても永遠に繋がる何かだと思うのです。
島田誠

◆ 11月11日(日)12:00/15:00/17:00(各30分)
第351回 日曜サロン「オオタスセリ♪歌とコントのミニライブ」

◆ 11月17日(土)17:00〜
第352回 日曜サロン「浪花の歌う巨人・趙博ライブ&トーク」

◆ 11月20日(火)17:00〜
たかはしべんミニライブ

*すべて予約不要・無料

会場:1F deux&trois
会期:11月10日(土)〜21日(水) 11:00-18:00
※最終日は16:00まで