在日として京都に生まれ、両親の不和、母の自死。のちに幸せな家庭を持ちながら火事で我が子3人と妻を失う。1979年のことだった。言葉にできないほど過酷な人生を支えたのはひたすら描くこと。そして天を仰ぎ、煩悩は消え、悟りの境地に入る、すなわち寂滅為楽を願う日々でした。松村は天才絵師です。その歩みを「絵に生きる 絵を生きる ― 5人の作家の力」のなかで「火が燃える」として書いた。松村の筆力は藤田嗣治に負けづとも劣らない。そして宿命を背負いながら目差しはいつも天に向けていたことを思うと、松村光秀を埋もれさせてはいけないと私は歯噛みする。
島田誠

会場:1F deux
会期:10月27日(土)〜11月7日(水) 11:00-18:00
※最終日は16:00まで