会場:全館
会期:3月31日(土)〜4月25日(水)11:00-19:00
*最終日は16:00まで *金曜休廊

※下記イベント中はご予約いただいていないお客さまの地下会場へのご入場は制限させていただく場合がございますので、
お時間をずらしてご来廊いただくようお願いを申し上げます。(一階の展示はご覧いただけます)

◆ 4月7日(土)15:00〜 第336回土曜サロン「タルホについて」 話し手:藤本由紀夫
◆ 4月15日(日)15:00〜 第337回日曜サロン「対話 藤本由紀夫×林寿美」
◆ 4月21日(土)15:00〜 第338回土曜サロン「ギャラリーツアー」 ご案内:藤本由紀夫

*ギャラリー島田 B1F unにて *定員40名 *要予約(ギャラリー島田へお電話、またはメールにてご予約ください)

 

展示作品解説PDF


藤本由紀夫さんはC.A.P.(芸術と計画会議)の創設メンバーで、
私とC.A.P.とのお付き合いは長く、藤本さんとも何度もお出会いしていますが、
ほとんどお話ししたことがありませんでした。
こちらの底の浅さを見破られてしまっているようで気おくれがして、
それは今も続いています。
でも、今回、おずおずと展覧会をお願いしたところ快諾していただきました。
神戸での個展は、初めてだそうです。
私は「SILENT ET LISTEN 2007」(canvas)を枕頭に置き、
星空、朝まだき、それぞれに眺め、「REVOLUTION&GRAVITY」(sound object)の微けし音、
「audio picnic at the museum」(資料の合本が作品となっている)を楽しんできました。
体験することによって自らの受容が完成する藤本作品ですが、
そこに私たちも小さな企みを隠しています。
お楽しみください。
島田誠


藤本由紀夫の作品にはいつも裏切られる。そして、藤本由紀夫という作家自身にも。
最初は《屋上の耳》に代表される、感覚的かつ知的なサウンド・インスタレーションが彼の仕事だと認識していた。
写真でよく見る、気むずかしそうな作家の風貌にもそれは反映されていた(と思っていた)。
《SUGAR》のようなオルゴールを使った作品を知った時は、その詩的な佇まいに優しさと可愛らしさを感じ、「思ったより人間味のある作家なのかも」と考えをあらためた(傲慢にも)。本人に会う機会はなかなか訪れなかったが、長年暮らした千葉から神戸に戻って数年後、初めてスタジオを訪ねた日は、その穏やかな人柄に魅了された。何より、一連の作品とともに、数台のPC、オーディオ機器、CDやアートブックが並ぶその空間自体が、藤本由紀夫の世界そのものであった。美術と音楽。学習と遊び。構成と即興。
それらが自在に組み合わされている。けっして固着化しない。この裏切りはまだまだ続くのだろう。
林寿美(インディペンデント・キュレーター)


Apple創設者の一人、スティーブ・ジョブズの逸話で「現実歪曲空間」と呼ばれるものがある。
これは「実現が難しいと思われる難題を、規模感や距離感を歪ませ、今手元にある作業が容易に実現可能な気にさせてしまうこと。」を表した造語だ。
ジョブズが席を立った後、何故できそうに感じたのかわからないが、エンジニアたちはそれに答え、数々のイノベーションを起こし、今のAppleを築き上げた。
3年前、神戸アートビレッジセンターで開催した『phono/graph』の展覧会打合せ中に、藤本由紀夫が”カバン”から色々なモノを取り出して、笑顔で「(展覧会が魅力的になる)可能性ありますよ。」と話した時、あの空間にいたメンバー全員が彼の魅力に取り込まれプロジェクトが動き出した。
その後の苦労は言うまでもないが、あの時の悪魔の囁きは今も忘れられない。
藤本由紀夫の”カバン”には気をつけたほうがいい。あれは「現実歪曲空間」を作り出す四次元ポケットのような魅力が隠されている。
林正樹(神戸アートビレッジセンター)


藤本由紀夫さんは私のアトリエの隣人です。知り合ったのは24年前。
C.A.P.の創設メンバーの一人で、その後20年間、一緒にC.A.P.の活動のあれこれに関わってきました。
当時、北野のはずれにある旧神戸移住センターを拠点に、「CAP HOUSE」を運営していたのですが、建物の改修工事のため、退去しなくてはいけなくなり、そのタイミングで私がアトリエを置いている旧居留地の高砂ビルに移って来られました。
それからちょうど10年になります。いつの間にかすっかり神戸のアーティストになってしまったと藤本さん。実はちょっと嬉しそうです。
難しそうに見えて意外と単純だったり、クールそうなのに実はお茶目だったりと(作品が)、なんでもないものをいかにもカッコよく、何かありそうに見せてしまう藤本マジック。アトリエを訪ねると、奇妙な音が聞こえていたり、ハリボテの便器がぶら下がっていたり、上戸が回っていたりと、展示される前の、ざわざわとした生々しい状態の作品が見られます。
そんな仕上がる前の現場に立ち会えるのも隣人の特権でしょうか。
杉山知子(美術家)

C.A.P.(NPO法人 芸術と計画会議)
1994年にアーティスト11人と設立し、社会と芸術を結ぶ新たな仕組みを創るための活動を行う。
1999年より8年間、旧神戸移住センターを拠点に「CAP HOUSE」を運営。
2009年からは神戸市の指定管理者として「海外移住と文化の交流センター」(旧神戸移住センター)において、芸術の国際交流事業を担当している。