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ゴッホ村に古本屋がありますよ、そう教えられて、ムラムラッと行きたくなった。ゴッホ村というのはパリの北方にあるオーヴェール・シュル・オワーズのことである。ゴッホが自ら命を絶つまでの二カ月間に七十点もの作品がここで制作された。2015年10月のある日、パリ北駅から列車に揺られて一時間弱、オーヴェールに降り立った。昼前だったため駅舎のとなりにある古本屋はまだ開いていなかった。時間つぶしにゴッホ兄弟の墓を詣でた。絶筆と言われる「鴉のとぶ麦畑」が描かれたとおぼしき道に立って、耕された大地だけが露出している風景をじっと眺めた。道端に落ちていた胡桃をひとつ拾って持ち帰った。古本屋は思ったほどではなかったが、麦畑の風は今も私のなかに吹いて いる。
林哲夫

会場:1Fdeux
日時:12月10日(土)〜12月21日(水)・open12:00-19:00
*火曜日は18:00、最終日は17:00まで