山田晃稔

フランスに暮らして30余年、その間に、多くの街や村を訪れました。
通りを歩いていると、たまたま目にした光と影が織り成す光景に、なぜか心を惹かれることがあります。
アトリエに戻り、そうした風景を描き始めると、色も形も変わっていき、最初に目にした風景とは随分異なる様相の絵が出来上がります。
けれども、それが私が風景の中に見た、静かで、一抹の寂しさを秘めたこの世界の実相なのではないかと思います。
山田晃稔

不思議な静謐感を湛えている。抜けるような蒼い空、時代を経た建物が広場に陰を落とし、鎮まり返った午睡の時を「輪回し」の少女が駆ける、
その足音が、微かに木霊し白日夢でないことを知る。建物に囲まれた広場や道には密やかな喜び“光” と哀しみ“影”が移ろう刻とともにあった。
ここに流れている刻は流れるか流れぬかの悠久に繋がる時である。フランスでの長い歳月は、過剰なもの、余剰なものを流し、
人そのもののありようへとゆったりと降りていく日々の積み重ねであり、その眼差しと魂はゆったりと天へと昇っていく。
それは時空に身を置き、晒されたからこその美しさであり、かけがえのない輝きである。
山田さんが住んでいるぺルシュ地方の国立公園を<Parc naturel regional du Perche> 略して<パーク>の公募企画で、
山田晃稔さんが選ばれてパークにある126の村々を描いた昨年の展覧会も大成功でした。
是非、2年ぶりに帰国される山田晃稔・迪子夫妻とお出会い下さい。
島田誠

B1F 2015年 12/12(土)〜 12/23(水)  12:00〜19:00
*火曜日は 〜18:00、最終日は 〜17:00