岩井博石

厚く塗り込められた岩肌の様な画面に立ち向かい、実体の「存在」を表出すべく何度も何度も線を刻んで行く。
描かれる実体の形はいつしか壊れ、また新たな表情となって実体に「命」が吹き込まれていく。
その行為は、絵を描くというよりも岩盤をノミで刻んで行く様な作業です。実体の形態を気にすることなく縦横無尽に線を刻む。その「存在」を表すべく。
「座る人」.「かぼちゃ」.「港風景」などが自分自身の「眼」を通して少ない色彩と線によってどの様に画面に表現出来るかの挑戦であります。
岩井博石

昨年の岩井博石のギャラリー島田でのデビューは鮮烈でした。
何層も塗り重ねて磐のようになった下地に刻みこまれた全身自画像ともいえるどっしりと「座る人」。
その姿は泰然ではなく内に滾るものを抱き炎色に染まり、耳を澄ませば深い処からの地鳴りが聴こえる。
大地から引き出された野菜も海にある弧船も岩井の「存在」とその「背後に有るもの」が刻みこまれ、
求道的な厳しい姿勢が放射するものを私たちは受け止めるのです。
島田 誠

1F deux 2015年 11/14(土) 〜 11/19(木)  12:00〜19:00
*火曜日は 〜18:00、最終日は 〜16:00