桑畑佳主巳

永年の精進で諸先生方の評価にいち早く順応、いや迎合する習慣が身についてしまいました。
電車で席を譲られる年齢となり「絵はこのままでよいのか?」「おまえの絵は他人の寄せ集めじゃネーカ」「評価のために描いているのか」というあせりにも似た反省が沸きあがります。
過日、決心して30数年来の公募団体を退会、「白紙に戻ろう」「生れ変ったつもりで素直に描こう」という毎日を迎えましたが、安住の団体を離れるのは発表の場を失い、体に大きな穴が空いたような気がします。そして描けば描く程、過去の自分が蘇ってくるのです。
この度の個展は、その最初の試みです。途なかばです。少しは変わりますか?
桑畑佳主巳

桑畑佳主巳の神戸
神戸という街の「今」は存外、描くことは難しい。多くは観光化された異人館や単なる俯瞰図でしかない。
桑畑は生活感の残る市場や商店に市井の息づかいを愛し、やがて近代都市としての印象神戸を描き始める。
それは単なる都市景観ではなく、お洒落な街を飲み込んだマッス(塊)としての神戸である。
軍艦島のように切り離された建築群の向こうに一筋の明日へ架かる橋。その向こうには色褪せた未来都市。
それらはあくまでも美しい色調で描かれ、耳を澄ませば遠き日の熱狂が微かに聴こえ、やがて彼方へと消えてゆく。
画家として自立を選んだ覚悟の先に、虫の目としての市井と鳥の目としての都市伝説を孕んだ、今まで誰もが描いたことのない神戸の街を描こうとしている。
島田誠

B1F 2015年 9/19(土)〜 9/30(水)  12:00〜19:00
*火曜日は 〜18:00、最終日は 〜17:00
初日 17:00〜19:00 オープニングパーティ