金月しょうこ

若かった頃追い求めたひとつの関心事にかけた情熱と、あふれるばかりのエネルギーの強さを、歳を重ねた今、冷めた心で眺めることが出来るようになった。
生活をとりまくすべての条件が超過密状態にあったにもかかわらず芸術への想いが爆発して、アート・ステューデント・リーグに通い,そこで様々な芸術分野で生きる人たちに出会い、
特にモダン・ダンサーに、関心を深めていった。今,振り返れば、NY時代には見えていなかった心の充実感、生への充実感が感じられる。
この経験がなかったら、深い思索と自分をみつめながら生きる道を今でもなお、歩み続けることは出来なかったかもしれない。
人は、ほんの一時期でも、人生の中で、やりとげたと思う何かを、自分で確認できるものがあれば、その人の人生は幸福であると思う。
NYと日本の往復が今も続く"私のニューヨーク"は、今後、どのようになっていくのか、 今は、私にもわからない。
金月炤子

薬学を学び研究者からの転身、31才で渡米(1973)。アート・ステューデント・リーグでアーティストとしてのキャリアをスタート。
ベトナム戦争、人種差別など問題の坩堝(るつぼ)であるニューヨークのアートシーンを Modern Dancerたちの迸る情熱と重ね、
また苦悩や悲しみを共に抱いて疾走した。表現とは今を生きる人としての思想そのものである。12年間のNYでの創作は金月炤子の原点であり、
その作品は、昨今のアートシーンに「踏んでみなさい」と誘う地雷かもしれない。
島田 誠

*木村重信《「こころの風景」としてのオブジェ》は最も優れた金月炤子論です。
http://www.skingetsu.com/でお読みいただけます。
*《Dancing》(1978) 《Dancing》(1979)は国立国際美術館にコレクションされています。

B1F 2015年 9/5(土)〜 9/16(水)  12:00〜19:00
*火曜日は 〜18:00、最終日は 〜17:00

◇第297回 土曜サロン
オープニング作家トーク「私のニューヨーク」
2015年9月5日(土)17:00〜