友定聖雄

昨年、父が天に召されました。大戦を生き延び、「本」を愛し、ひたすら真面目に、誠実に働き抜いた男でありました。
父の臨終の時、ふと彼からのあるメッセージを感じました。命が消え行くその瞬間、私は今にも開花する蕾のようなイメージが頭にうかんだのです。
父はどのように生き、何を感じたのか? それは、私自身への私の問い掛けでもあり、私の後に続く者への父からのメッセージでもあります。
私が作るガラスの塊たちは、父から継承された「意識」が私を通し、形になったのかもしれない。
そんな事を感じながら、硬い蕾の花びらを一枚一枚開 いていくように、ガラスに光を与えてゆく作業を繰り返しています。

友定聖雄

友定の作品はガラスのオブジェではあるが小宇宙と呼ぶに相応しい。ガラスは光を反射するとともに内に抱き、剛性にして脆弱、色を含めば華麗、含まねば透明。その自在な有様に古来から人々は魅せられてきた。友定はそれらの属性を知り尽くし、そのうえでシンプルに素材と自らを重ね、組み上げるように高みを目指す。そこに作家と一体となって神の領域を抱いたオブジェが現出する。

島田誠

 

1F deux
2015年 7/4(土)〜 7/9(木)
open 12:00〜19:00 (火曜日は 〜18:00、最終日は 〜16:00)