松塚哲子

小さい頃から自然が好きで自然の中に行くと自分の空想の世界や物語を思い浮べてる様な子でした。
それは大人になった今も続いていて、風景を見ると、そして日常生活の中でも不思議や形や物語や言葉が浮かんで来ます。
作品を作っている時も同じで、画面の方からここに線だ、形だと言ってきます。それは不思議な感覚でアイデアはいつも上から来る感じで、まるで自分ではない何かとコンタクトを取っている様な感覚です。
そういうものがどこから来るのかと考えた時、私達がここに立つまでの先祖の連なる命を考えた時、
動物や植物、石など皆、循環を繰り返しここに姿がある事を考えた時、
そして私達は毎日、野菜や動物の命をもらって生かせてもらってる事を考えた時、
そんな沢山の命を貰いそして沢山の連なる命の前に立って生きてるのだから身体から色々な不可解な形や線が出てきても不思議ではないと思ってます。
私の中で作品を作っている時、まるで先祖の霊、自然の霊、精霊とコンタクトをとっている様な感覚で、
次々と自分では理解出来ない形や色、物語が出てきます。作品作りは自分を知る旅でもあります。
私達の生きる世界を考えた時、実は眼に見えてる世界よりも眼に見えてない世界の方がはるかに広いのだろうと思ってます。
今の近代の科学の進歩は目覚しく、それに従い利便性が優先され、人間本来の感性や、自然への畏敬の念も希薄になりつつある時代、
私もその時代に埋没している1人なのですがそれ故に失われつつあるものに強いこだわりを持つべきだと考えてきました。
私のこだわりは太古から脈々と受け継がれて来た輪廻の中に共通する霊的な感性を作品として表現したいという事です。
いくら時代が進んでも自然の循環の中に存在する人類は、精神の根底にある自然に対する畏敬の念は忘れてはいけないと思っています。
その様な感性を作品に表現するのは容易ではありませんが、魂に正直に作ってきました。
住んでいる国が日本からデンマークに変わっても、その様な心は変わらずにあります。
ものごとは普遍的なところで繋がっていると思っています。
これからも芸術という世界を通して皆さんと繋がっていきたいと思っています。
松塚イェンセン哲子

 

神戸からデンマークに渡り、デンマーク人の夫と二人の子を持つ。二つの言語と二つの文化。大人と子供。自分たちと障害のある人たち。神様の世界と人間の世界。日本とデンマークであっても驚くに当たらない。事は起こったのではなく松塚に内在されていたものが外在化されただけである。アーティストにとっては障害は表現の形であって松塚の架けた虹の架け橋をキラキラと輝きながら渡ってくるのです。
島田誠

1F deux 3/21(土)〜 4/1(水)  12:00〜19:00
*火曜日は 〜18:00、最終日は 〜16:00


■関連企画
第288回火曜サロン「福祉国家のアートと教育 ―デンマークのビフロスト美術学校の事例から」
2015年3月24日(火)18:30〜20:30  ※予約不要、無料

詳細はサロンのページをご覧ください