日本画家毛利武彦氏の文を抜粋させていただく。「・・・・日本画顔料の黒は、いわゆるブラックではない。顔料として色である前に、それぞれの質があり、どこか負の思想の余燻を潜めている。胡粉は単なるホワイトではない。白である前に貝であり、渚の記憶を残している。天然の岩絵具、緑青や群青は地球のかけら。 ・・・・原始性を遺す日本画素材によって、現代の視覚の貧血に抵抗する、触覚値ある「絵画」でありたいと、私は願う。」 油絵具も化学合成製品にとって代わる前は同じように鳥獣の生命の産物であったり、地球のかけらといった詩のように美しいものであった。存在に説得力があった。私はその根源を今も念頭に置いている。麻布を張り湯煎した膠を塗ったキャンバスに、絵の具をたらせば、もはや血がかよい、生命をはらむ。私はこうして絵を創りはじめる。

大森 翠 B1F 5/3(土)— 5/14(水) 12:00 — 19:00
*火曜日は —18:00、最終日は —17:00