年に数回帰国する男に出会ったのは、何年前の事だったろうか。偶然の出会いののち、互いに何を語るでもなく、煙草とアルコールの日々となった。るす電に酔払いの声で意味の分からぬ言葉が変に愛惜の込もった表情で残されていたり……酒場で見事に踊る彼の姿を見たり……。「パリへおいでよ…」、「パリか、パリは遠いな」、「遠くはないよ…」、「いや、遠いな、地続きではないからな、歩いては行けない」、「パリで呑むのもいいよ、こんなふうに…」、「それはいいな」、そうして、パリで呑み歩いた日々。互いに、まるで画面の違う彼が、私の絵に何を見ていたのか。言葉を交すことなく互いに思っていたのは、恐らく地上の光では無いのだ。この世に在りながら、この世に埋もれきれぬ闇、光を求めての闇なのだ。彼、藤崎コービンが神戸へと誘い、2月の個展となった。この地でも、再び、光と闇の出会いが、あらんことを……
2014.1.8.D記

1F deux 2/8(土)〜 2/13(水) 12:00 〜 19:00
*火曜日は 〜18:00、最終日は 〜16:00