「自分の絵を見付けたい」と思って、二人でフランスに来て、いつの間にか30年もの年月が流れてしまいました。

パリと近郊での15年の都市生活のあと、南ノルマンディーの田舎に暮らして、今年で15年目になります。
その間に、迷ったり、つまづいたりしながら、なんとか生き、なんとか絵を描いてきました。
日本を離れることにより、いっそう、日本人であるという自覚が強くなりましたが、同時に、フランスに生活しているさまざまな国の人たちとともに暮らす中で、
肌の色や話す言葉が違っても、人は誰でも皆同じという意識も強くなりました。結局、日本とフランスの中間にいるような視点で世の中を眺め、私たちはそれぞれ、
光と影の織り成す光景に永遠の静けさを感じ、人の幸せを思い願う気持ちに天使を感じています。私たちの未熟な30年間の歩みの軌跡をご覧いただければ幸いです。
山田晃稔(あきとし)・迪子(みちこ)

本展は西村功没後10年記念展を計画していたころに西村泰利氏(ご長男)からご紹介いただいて実現した。西村功・久美子ご夫妻が渡仏するつどお世話になられたご縁です。
まずいただいた資料の作品に惹きつけられました。そしてやり取りのうちに感じた人柄にも。
お二人の作品は共通して不思議な静謐感を湛えている。抜けるような蒼い空、時代を経た建物が広場に陰を落とし、鎮まり返った午睡の時を「輪回し」の少女が駆ける、
その足音が、微かに木霊し白日夢でないことを知る。簡素な蹲(うずくま)った聖衣のような教会の中では素朴な祈りがマリアや天使の形に結晶している。
建物に囲まれた広場や道には密やかな喜び“光”と哀しみ“影”が移ろう刻とともにあった。ここに流れている刻は流れるか流れぬかの悠久に繋がる時である。
フランスでの30年の歳月は、過剰なもの、余剰なものを流し、人そのもののありようへとゆったりと降りていく日々の積み重ねであり、その眼差しと魂はゆったりと天へと昇っていく。
それは時空に身を置き、晒されたからこその美しさであり、かけがえのない輝きである。
島田誠

B1F 12/14(土)〜 12/25(水) 12:00〜19:00
*火曜日は〜18:00、最終日は〜17:00

■作家トーク 12/14(土)17:00より [無料]
■トーク後、お二人を囲んでささやかな交流会をいたします。