武内ヒロクニ展 -色鉛筆の世界-

鎌田實の一日一冊より(2009年10月31日)

著名人50人の「食」にまつわる思い出が、武内ヒロクニの絵とともに紹介されている。 鎌田實は、「もやしいため」。環七のあの定食屋さんの、たしか50円の一番安いもやしいためを、父と二人でよく食べた。武内ヒロクニの絵がいい。暴力的だ。なんとんなく悲しい。なんとなくうきうきして楽しくなるなんだかわからないハチャメチャな絵が多い。特に、鎌田のもやしいためは、激しい。なんだかわからないが、もやしいためが踊っている。武内ヒロクニさんが拒食症になって、ごはんが食べられないときの絵だという。ぼくの父は、怖い人だった。だが、夜中に仕事から帰ってきて、2人で行った定食屋さん。「ミノル、何、食いたい」思い出すと、定食屋での父はいつもあたたかい顔、あたたかい声だった。1皿のもやしいためを、二人で食べた。最高の晩餐だったと思う。『しあわせ食堂』けっこういい本です。

鈴木創士(フランス文学者)の紹介(神戸新聞から)
1960年代から関西のアバンギャルドシーンで密かに棲息してきた画伯は、日本のシュールレアリヅムとポッポアートの混血児たちのしられざる先駆者だった。画伯のそばには、いつもロックやジャズがいつも鳴り響いていたし、支持してきたのは、もっぱら若者たちだった。ヒロクニ氏の絵を眺めているとアメリカの現代美術家たち、パスキアやヘリングやシュナーベルたちも、実は画伯の影響を受けてきたのではないかと一瞬錯覚してしまう時がある。(略)。画家は四の五の言わずに作業している。画家は天才天気予報士や老革命家のようにいつも町の動向を窺っている。それほど武内氏の歩きっぷりはちっとも昔と変わらないのだ。「これはナンなのだ!なにか起こっているのか?」そんな風に呟きながら、苦虫を噛み潰したような顔をして、画家は今日も元気に坂道を駆け下りてくる。

【予告】
東京・銀座の二つの画廊で「しあわせ食堂&色鉛筆の世界展」同時開催
3月15日(月)~27日(土」 日曜休廊
ギャラリーゴトウ 11:30~18:30 銀座1丁目 03-6410-8881
ギャラリー枝香庵 11:30~19:00 銀座3丁目 050-3452-8627

◆1F deuxにて 12:00~19:00
※火曜日は~18:00、最終日は~17:00まで。

■会場の様子 ※画像をクリックすると拡大して表示されます。

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