2020年8月「私たちは信ずるに値する日を生きているのだろうか」

明確な記憶にないずっと以前から、ぼくの心は、いわれなく、ひたむきに「弱きもの」に対して魅せられ続けてきたようである。弱者に対する、たとえようのない共感、愛着心、親近感。それは、多分にぼくの理念ではなく、思想や信条でもなく、おそらくは拭い去ることのできないぼく自身のしからしめる所以なのかもしれない。多分に強者になりえないという、自分自身の実感と、虚構や覇者を排すべきであるという明確な自覚は、今なお、ぼくを暖めつづける体温そのものであり、かっていささかの苦渋と挫折に色どられた春の日の体感に由来する陰影が、今日、なお執拗にぼく自身をドン=キホーテさながらに理由なく困難な状況へと立ち向かわせているようである。

 「わが心のシノプシス」  佐本進「天の劇場から」(風来舎)

1989年2月27日 自死した佐本進さんの言葉です。親しくさせていただいていた私は「お前に託したぞ」という声を聞いたのです。

1989年7月27日 私は「脳脊髄鞘腫」の手術。

1990年5月28日 亀井純子さん亡くなる。  私が後を託されたと思う二人。

多分、私は当時、先端医療であったMRIで「脳装置」をお二人の「魂装置」と入れ替えられこの世に戻されてきたのではないか。

小さな花

 

加藤周一さんの「小さな花」を覚えておられるでしょうか。

私たちが差し出した「志縁」も「小さな花」でしたが、とてもうれしいことですが、前号(2020.06/07)をお読み下さったみなさんから、続々と声とともにご寄付を届けていただいています。中にはビックリする額も。

パンデミックの時代は、まだ始まったばかりです。もっともっと厳しい時を迎えるのです。私たちは、それでも、すべてを共に受け止め未来へと歩まねばなりません。

「未来圏から!」は松田素子さんから託された宮沢賢治の言葉に応答するように、85名を超える作家が三つのギャラリー空間とオンライン・ミュージアムとで参加されます。すべてが新しい挑戦です。3月から7月にかけて、誰もが息をひそめるように「今」を見つめ「これから」を自問してこられたと思います。国境を越え、世代を越え、人が人としてあることはどのようなことなのか。私たちの希望は何処にあるのか。

 

私自身もしきりに自分の人生のかたづけに入っています

 

下手で散らかり放題であった周囲も整理が出来てきた感じがします。

もともと何に対しても執着がなかったのですが、ないないずくしの日々。そういえば最近の天空、夜空が美しいし、空気も綺麗です。皆さんの思いも純粋です。そのことを忘れない。伝えたい。

そんな30日。86点の作品が時空を超えて皆さんの思いが繋がっていく。

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