2020.12「混迷する世界での希望の灯り」

世界全体がパンデミックに晒され多くの命が失われている中、超大国アメリカのリーダーがこの2020年の11月7日に選ばれた。全米を挙げてリーダーを選ぶこの国の在り方を見るにつれ、合衆国の深い意味を学ぶ思いである。

副大統領のハリスさんの来歴と発言のなんと魅力的なことか。

「皆さんは票を投じて明確なメッセージを送った。希望、結束、品位、科学への信頼、そして真実を選んだ。最初の女性副大統領だが、最後にはならない」

ハリスさんはカリフォルニア州オークランドの出身である。この街はlocationとしても我が町 神戸と似ているうえに私にとっては忘れることの出来ない思い出と繫がっている。

神戸高校合唱部がシアトル、サンフランシスコの南海岸を縦断しハワイにいたる一か月間に及ぶ演奏旅行を行った。遥か昔のこと。

私はOB(当時大学1年)アシスタント指揮者として同行していた。次がサンフランシスコでのホームステーがオークランドでよく覚えている。

新大統領バイデン氏は78才とのこと。私もちょうど78才になった。

縁を感じさせる今回の米政権。お前ももう少し頑張れと励まされる思いだ。

私たちの希望はどこにあるか

さかのぼること17年、2003年の9月21日、加藤周一さんをお招きし「加藤周一講演と対話のつどい」を神戸朝日ホールで開催したのを思い出す。当時、加藤さんは84才だった。

加藤さんは言葉の力を信じ、言葉の力に賭け、美しい言葉を好み、美しい言葉で表した。

声高の大言壮語を嫌い、狂信的な物言いを拒んだ。

語るときはいつも声低く語った。

そして、人間の可能性を信じ、人間のつくりだしたことを敬し、人間がつくりだしたものを愛した。

権力に近づかず、弱者を理解しようとした。

それは一貫して変わらなかった。

2020年を振り返って

2020年は1月の木下晋展に始まりました。

長い長い木下さんとの交流の一つのゴールがこの危機の渦中であるという巡り合わせが象徴することに慄然とします。

1月 木下晋・25年目の1.17・トゥーンベリさんへの応答

2月 黒川伸輝・金子善明・永田耕衣・藤崎孝敏

3月4月5月は延期・中断

     上村亮太・桑畑佳主巳

6月 オンラインストア・緊急支援

7月 未来圏から!

8月 友定聖雄・鴨居玲

9月 大森翠・小谷泰子・松原政祐

10月 田鎖幹夫・沢村澄子・きたむらさとし・南輝子・藤飯千尋

11月 再び上村亮太・アートの架け橋・石井一男・須飼秀和

そして12月の締めくくりは井上よう子・林哲夫・戸田勝久です。

それにしても存続を危ぶまれる経営危機とコロナ危機を反転させつつある力は何処にあるのでしょうか。

個性的なスタッフ達がチームをなし、作家とともに、時代の転換期にあたり、何より、伝えるべきものに専心する潔さが伝わってくるのです。