2013.1 「新しい年のこと 」

2008年に30周年を迎えたので、今年は35周年。齢は古稀を迎えたので、ギャラリーは私の半生そのものとも言えます。試行錯誤を繰り返しながら、片目は遠くに視線を遊ばせながらもう一方の目は近くのことを思索してきました。ここ数年はその複眼の遠近法が次第に明確な焦点を結びはじめたのかもしれません。視覚、聴覚の衰えと逆に心の岩盤へと辿りつきつつあるのかもしれません。その岩盤には多くの鬼籍に入られた作家の皆さんの名が刻印されています。鴨居玲、須田剋太、西村功、小西保文、奥田善巳、津高和一、高野卯港、遠藤泰弘、岩島雅彦、松村光秀、東山嘉事、元永定正・・・・

さて、ゆかねばなりません。新しい日々を刻んで、今日の一歩を

海外からの作家たち

年初は5日から。二つのフロアーを使っての藤崎孝敏展です。1994年から13回目です。銀座の二つのギヤラリー(12月上旬)を含め三つの展覧会をブルターニュから藤崎さんを招いて企画しました。埋もれさせてはならない才能です。3月にはNYから小谷節也さんを。ノールウェーの留学から帰国された森井宏青さんを。4月にはイタリア(カッラーラ)で活躍されてきた石彫の緒方良信さん、ニュジーランドから昨年に続いて小山甚二さん。5月にはNYからアーノウ・ギヴァシュタインさん。12月にはフランス在住の山田晃稔・山田迪子さんをご紹介します。

仰ぎ見る作家たちも

2月には信楽から現代陶芸(元、走泥社同人)の笹山忠保さん6月には野見山暁治展(二度目)を、また7月には日本とドイツにアトリエをもち社会の中での人間性を問い続ける井上廣子さんを9月には80才になる掛井五郎さんの初登場、11月には1966年から1991年までドイツの西ベルリンに在住し広くヨーロッパで知られる長岡国人さんを。また初登場の石彫の久保健史さんを始め、多くの期待の作家たちも登場します。

充実の作家たち

1月19日からは8年ぶりに水村喜一郎さんをお迎えします。両腕がないというハンディをものともしない強い精神力と努力で強靭な画面を作ります。 3月には鉛筆画の木下晋さん。長い付き合いになりましたがNHK日曜美術館や画集「祈りの心」(求龍堂)の刊行、平塚市立美術館をはじめとする巡回展など素晴らしい活躍ぶりです。井上よう子さんは10月に「自選展」として登場いただきます。日下部直紀、平田達也、栃原敏子、高木さとこ、林哲夫、松原政祐さんも。石井一男さんと須飼秀和さんは11月30日~12月11日を予定しています。

作家の回顧展

2月後半に「松村光秀を偲ぶ」展ですが、詳細は別記します。同時期の「宮越公齋展」は実行委員会によるもので書画展です。 5月には昨年92歳でなくなられた坂本正直さんの遺作展(二つのギヤラリーでの同時開催)。坂本さんは終生、戦争画を描き続けてこられました。所薫仔(アートスペースかおる主宰)のお父様です。
6月には没後10年を迎える西村功展をBBプラザ美術館に合わせて。
7月には没後18年になる津高和一展を
10月には没後4年になる高野卯港さんを

島田誠コレクションを

年間を通じて「島田誠コレクション」を順次、ご紹介していきます。
気に入った作品を集めていますが、蒐集することが目的ではありませんので販売もいたします。(非売もありますが)。作品談義をしながら見ていただければうれしいです。