遁走する しない
「敬老パス」を受給する書類が届いた。11月で古希というものに到達するらしい。杜甫「曲江詩」の「人生七十古来稀なり」から来ているらしいが、65歳以上の高齢者の割合が21%以上で「超高齢社会」と呼ばれ、日本は’07年に入った。平成72(2060)年には高齢化率は39.9%に達し、2.5人に1人が65歳以上となるらしい。どこが稀なものか。
日本の人口も現在の125百万人が40年後には80百万人に減少するという。40年などあっと言う間である。それを前提にすべてを考えざるをえない。自然エネルギーへの転換、省電力、節電意識の浸透などが相まって、原発不要は現実なのではないのか。35%ダウンサイジングすれば、すべてが過剰、過大ではないのだろうか。いたずらに成長、拡大、集客を競う意識からゆっくりと抜け出していこう。
私は長生き指向もない。とはいえ、人に迷惑をおかけすることなく、人のお世話をしながら、お世話されること少なく、ぽっくりと逝きたい。とはいえ人生、そう上手くいくはずもない。生き恥を晒すことになるやもしれない。
成長時代を生きた私たちや団塊の世代こそは「子どもたちの子どもたちの、その子どもたち」のための視座を持っておこう。平和をただ安逸に生き、成長をただ飽食に生き、抜け殻のような日本を置き土産にして天国へ遁走する恥じ多き世代であってはならないのでは。
さてさて、
最近は新しく登場する作家さんが増えてきました。もちろん、他所でやられる展覧会や作品や資料を拝見して開催を決めるのですが、キャリアがあり、出来上がった作家もいますが、多くは未完成でこれからという作家が多いのです。多くの無名の作家を紹介し、世に出してきたというイメージを持たれていて、作品を見てほしい、個展をしたいという話しが多いので、出来るだけ、拝見し、厳しい意見を言わせて頂いています。その上で、個展を決めるわけですが、新しい才能に出会い、丁寧に作品を見、話をし、制作への姿勢や生き方を含めてお話しをさせて頂き、彼らが、新しい世界を切り拓いていくのを間近に見るのはこの仕事の醍醐味といっていいと思います。これからも多くの新しい才能を紹介し、共に歩むのを楽しみにしています。