2006.6 「みんなおめでとう」

「みんなおめでとう」

 天候に恵まれたGWは各地が人手に溢れたそうですね。私はほとんど仕事でしたが、好きなことしか仕事にしていませんから一向に苦痛ではないのです。それに周りを見回せば「おめでとう」と言いたいことが続いています。ありがたいことです。

■西村功展(西宮市大谷記念美術館)も終始、賑わっているそうで、会期半ばにして図録も完売、評判も上々です。生涯を辿ってみれば西村先生の誠実な生き方と絵画への思いが明らかで、多くの方に愛された理由がよくわかります。画集やデッサン集の刊行、資料の整理などを引き受けてきて、こうして美術館での回顧展に繋がってくると、ギャラリー冥利につきる思いです。

■松村光秀先生の場合も同じことです。4月の2年ぶりの展覧会も好評でした。羅漢さんや京都・法然院の由緒ある床材を使った一連の作品など、現世に身を置きながら羅漢と一体化しようとする松村先生の新しい境地を示すものでした。余人に想像もつかない過酷な前半生から、こうした境地に立たれた仕事に心を打たれます。  松村先生の場合も「画集・姿」を出版し、信濃デッサン館・槐多庵での展覧会、そしてラジオ深夜便への出演と、一つ一つ積み上げてきたものが作家を支え、持続する志となってこうした優れた結晶を生み出しているのです。松村先生からはまだまだ宿題を頂いています、どれも簡単ではないのですが、是非、ここでやりたいと願っておられた沖縄の普天間基地に楔(くさび)を打つように立つ佐喜真美術館で来年、展覧会を開催して頂くことになりました。ここは丸木位里・丸木俊さんの沖縄戦の図を永久展示すべく、建築家の畏友・真喜志好一さんが設計された美術館です。 館長・佐喜真道夫ご夫妻には窪島誠一郎さんとのご縁で松村ファンになって頂いてはいましたが、今回、快諾して頂き、松村先生の壮大な願いの一つが叶うことになりました。本当にうれしいことです。実現の暁には沖縄・佐喜真美術館ツアーをしましょう。そして「もの思う空間」で板橋文夫(ジャズピアニスト)に霊的ライブをしてもらいましょう。(昨日、板橋さんと飲んでそんな話したら佐喜真美術館でライブを既にしたことがあると言ってました)ワクワクしますね。おめでとうございます。

■福島清さんの「男達の神話」が刊行されました。これも福島さんの「夢」だったのですが立派な果実となりました。この本は是非とも読んで頂きたいです。まず美の世界を求める全ての人に、そして真剣に生きようとする全ての人に。本を読まないという方は、手元において撫ぜるだけでも効能があります。表紙を眺めるだけでも意味があります。ぼくは孫を見るように愛おしんでいます。構想十数年、執筆5年、私にバトンがわたって2年。みずのわ出版の柳原一徳さんにバトンを渡して1年。さらに出版記念展を京都の尊敬する画廊主、石田浄さん率いるJARFO(京都藝際交流協会)が引き受けて下さいました。この本は必ずくちコミで読み継がれていき必ず大ブレイクすると思います。おめでとう。

■石井一男さんの個展を久しぶりにギャラリー島田で開催します。大阪、東京と旅をしてきました。  石井さんには再来年「石井一男画集」の出版を約束しています。その目標に向けて一層、集中した作画に励んでもらうためです。こんなことをここに書くのも自分にプレッシャーをかけて有言実行するためです。石井さんに10年も前に約束したことが未だに果たせていないからです。こんどはやりまっせ!石井さんには前祝で、おめでとう。

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