2005.8「私に出来る小さなこと」

私に出来る小さなこと 「Do Something」

 戦後60年の夏が巡ってきました。戦争と平和を巡る様々な論争が行われるでしょう。 でも、お茶の間評論、居酒屋評論を超えて、私たちの未来のために、続く若い世代のために、殺し合いのない世界を構築するための煉瓦を黙々と積む作業をしなければなりません。私に出来る小さな提案です。
Do Something

  私がDo Somethingという言葉を知ったのはマイケル・ムーア監督の映画「華氏911」のエンディングの字幕が下から上へと水の泡が立ち上ってくるように流れて行くのを見ていて、小さく書かれたDo Somethingというフレーズが心の隅にひっかかりました。
 そして昨年9月11日のセプテンバーコンサート「平和への祈り」、12月23日にはギャラリー島田でジャズピアニスト・板橋文夫さんのライブ「戦争は嫌だ!」を開催、そこでコメントを求められて、小さな石を投げる「Do Something」と呼びかけました。
 これらのコンサートの会場におられた歌人・画家の南輝子さんが歌集「ジャワ・ジャカルタ百首」のあとがきで「Do Something」の波紋をさらに広げて下さったのです。
 5月24日に「ソウル国際文化フォーラム」で大江健三郎さんが、エリオットの詩句「われわれは静かに静かに動き始めねばならない」と題した講演をされ、その訥々とした語りのなかで「ほんのわずかなこと」に希望を託すと語って、大きな感動を与えたそうです。(6月12日日経新聞 蓮實重彦)
 Do Something=ほんのわずかなこと でも確実に、日々、言葉でも振る舞いでも。みんなで。

怒りをこめて振り返れ  

という、J,オズボーンの旧作を思い起しております。  そこから「闘い」に走っても朝はこない。別の「表現」を持ち寄りましょう。  「灯」を持ち寄れば「星」になる。「星」が集まれば「天の河」です。

湯布院の中谷健太郎さんからの手紙です

戦争はなくならないか   

 20世紀は戦争の世紀と呼ばれました。しかし、それ以前の世紀だって、至るところ血塗られた歴史です。イタリアを旅しながらイタリアの歴史を読んでいました。
 日本の戦国時代が終わり一応の日本統一の基礎ができたのが16世紀末、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世が、サルディニアからシチリア島までのイタリア半島に散らばる小国を統一したのは1859-70年、ほんの150年前のことです。そして20世紀の2度にわたる世界戦争の歴史を踏まえての現在があります。日本人同士、イタリア人同士が殺し合う時代に戻ることは今や、想像できないでしょう。EU諸国間でも同様です。
 歴史の歩みを逆戻りさせないためには、みんなが「ほんのわずからこと」「灯をかかげること」「Do Something」を静かに、しかし確固として始めねばならないのです。

私の関る「Do Something」 平和を考える
■(1)映像とトーク「戦争を学ぶミュージアム/メモリアル」

講師:笠原一人「メモリアルすることの困難」
   寺田匡宏「戦争メモリアル、アジアを歩く」
■日時:2005年8月2日(火)午後6時半より8時半まで
□場所 ギャラリー島田
■会費:1,000円
(会終了後、出版を祝う交流会を行います。席に限りがありますので要予約。)

この6月、笠原一人さんと寺田匡宏さんが、戦争、平和について考える旅のガイドブックを岩波ジュニア新書として上梓しました。二人は高校時代を神戸で過ごしましたが、当時つきあいはなかったそうです。そんな二人が出会うきっかけをつくったのが阪神大震災です。ガイドブックが目指すものは何かを、スライドを上映しながら語って頂きます。フリートークの部では、季村敏夫が聞き手となって裏話なども伺います。

●笠原一人さん「メモリアルすることの困難」
広島平和記念公園、ベトナム戦争メモリアル、ユダヤ博物館などをスで紹介しながら、戦争を記憶すること、表現することの難しさを語ります。

●寺田匡宏さん「戦争メモリアル、アジアを歩く」
アジアの近隣諸国との関係が現在おもわしくありません。昭和の戦争に密接に係わった土地に建てられたナヌムの家、南京大虐殺記念館、731部隊陳列館などについて語ります。

■(2)「映画 日本国憲法」 監督 ジャン・ユンカーマン 

8月20日~9月2日  前売 ¥1,200
神戸アートビレッジセンター KAVCシアターにて期間中に戦後60年を振り返るトークイベントを予定
上映時間など詳細は神戸アートビレッジセンターにお問い合わせ下さい。
Tel:078-512-5500

■(3)「セプテンバー・コンサート」 9・11に世界の平和を祈るコンサート  

第3回となりました。今年はがギャラリー島田斜め向かいのライブ・ハウス「クレオール」も加わります。
東京では庄野真代さんが中心になって大規模にスタートします。
9月11日(日) 17;30~19;00 クレオール
19;00~21;00 ギャラリー島田 
地元の音楽家多数が出演いたします。
入場はいずれも無料
終了後、交流会(参加費¥1,000)

■(4)板橋文夫ジャズ・ライブ  「震災メモリアルと平和へのメッセージ」

昨年のライブ「戦争は嫌だ!!!」に続いての開催です。思えば、私の「Do Something」は、このライブに始まり、大きな波紋となって、またここに帰ってきました。南輝子さんの個展(ギャラリー島田1FDeux)のオープニングに合わせての開催です。
板橋さんの渾身のライブは魂を揺さぶります。
2006年1月15日(日) 18:00~ ギャラリー島田
前売り ¥2,500