ギャラリー島田でほぼ毎年のように作品展を開いておられる藤飯千尋さんですが、地階会場unでの開催は初めてです。
「藤飯千尋展 universe」。
展覧会紹介ページはこちらをご覧ください。

藤飯さん自身のステートメントにもある通り、これまで長く、怒りという感情を制作のモチベーションとしてこられたのが、いま変化をしてきているといいます。
怒りといっても藤井さんのそれは、個人的なものというより、社会的な問題から起こる様々な出来事や事件に向けられたものです。
そして、その思いはいまも決してなくなったわけではありませんが、
ただ、同じ悲哀に満ちた出来事を、負の側面、闇の側面を見据えて描くのではなく、
光の、希望の側に立って描きたいのだ、と、そうおっしゃいます。

また、それにともなって制作の技法にも変化が訪れています。
藤飯さんの代名詞ともいえる「流し込み」の技法から、
近作では体の部分を使って描かれた太くうねる線が目をひきます。
そして正面奥の壁の三幅対の大作に見られるような、明るい青。
なんて風通しの良い、それでいて、深い青。
同じく画面を占める白とのコントラストがまぶしく感じられます。
ぜひこの美しさを、じかにご覧になって感じていただきたく思います。
ところで、この体を使って描くという技法への変化は、実はある偶然の、
ちょっと楽しい出来事がきっかけなのだそうですが…
それはぜひ会場で藤飯さんに直接聞いてみてください…!
藤飯千尋展 universeは2月16日(水)までの開催です。
感染症対策に気をつけて開廊しております。
ご来廊を心よりお待ちしております。
