杉山知子さんの11年ぶりとなる個展をギャラリー島田全館、3つの会場で開催中です。
展覧会紹介ページはこちらのリンクをご覧ください。
前回の記事では1F会場 deux(ドゥ)とtrois(トロワ)の様子をお伝えしましたが、
今回は地階会場 un(アン)をご紹介します。

会場に入ってまず目に飛び込むのは、宙をただよう「necklace」(ネックレス)のシリーズです。
ビビッドな色彩と不思議な形。
作品の森へとどうぞ分け入ってください。
奥の壁に並ぶのは、作品を切り抜いた残りの部分。
(作品をお求めいただいた方は、そこへはめ込んだ一枚の作品としてお持ちいただきます。)
また、同じ「necklace」の絵画作品には、ビーズの連なりの中に、人や木や花が描かれています。
実際にビーズをつないでネックレスを作るのが楽しみだという杉山さんですが、
あたかもネックレスが完成するときのように、
「人生が終わる時も最初と最後がパチリと繋がって
初めてその人のネックレスが完成するのかも?」
と、自身の解説にもあるように、
人の生の営みがネックレスと重ねられてもいるようです。

さらに会場を奥へと進むと「sogen」(草原)の作品シリーズや、銅版画作品、
魚をかたどった素敵なプランツポットや星形のオブジェなど、
技法もさまざまな作品が次々と現われ、見ていて楽しいかぎりです。

この会場のテーマは「Tomo’s」。
杉山さんのアトリエの名前でもあります。
C.A.P.(芸術と計画会議)を設立し、長く率いてきた杉山さんですが、
いまはご自身の制作に打ち込む毎日。
日々アトリエに通うなかで制作された作品たちです。

こちらのマフラーは、なんと2004年から編み続けられている作品で、
一度に10分間ずつと時間を決めて、
今回会場でも在廊の合間に編んでいらっしゃいます。

ほかにも「towns」のプリントされた布で作ったトートバッグやジグソーパズルなどグッズも充実。
兵庫県立美術館で開催中の「関西の80年代」展で杉山さんの作品をご覧になってギャラリーに来てくださる方も多くおられます。
その当時のインスタレーション作品が掲載された作品集も、どうぞ会場でご覧ください。
杉山知子展は7月26日(火)まで開催しています。
皆様のご来廊を心よりお待ちしております。