■□■□2019年12月 Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE Info―1521号 12月7日

■□■□2019年12月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE Info―1521号 12月7日

           不思議なことが起こる
           二度、三度そして・・・  
               散華 
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1 蝙蝠日記  石井一男さん 須飼秀和さん
        奇蹟なのか 当たり前なのか

2 展覧会へのお誘い  井上よう子展 ―言葉がくれたもの―
            桜井類 惑星の肉体的な魅力 

3 今日の言葉
    花を散らしあう魂よ
    花はすでに 体を埋め尽くしていて
    もし 時満ちれば
    いつでも すべてを捧げ
    きっと
    たどり着くだろう
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1 蝙蝠日記  不思議なことが起こる
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石井一男さんと須飼秀和さん。
毎年、同じ時期に一緒に展覧会を。
そして、作品も熟度をましていく。それをしっかりと受け止める人、人。
今の時代にほんとによく買っていただくことに驚きます。
 
そういうと、先入観で、軽く見る、
「ふん」という声も聞こえてくる気がします。

石井さんは、もう30年に。須飼さんは15年に。
今日から始まった井上よう子さんは27年に。
着実に世界を広げ、深め、「描く」ことだけでここまで来た。
そのことに敬意を持っています。

石井さんの絵は、だれも「商品価値」として買う人はありません。
そうでないことを貫いています。そのことが分かっていて、なおかつ
いまだに、
ゆっくりと来られ、長くおられ、選ばれる。
「情熱」も「奇蹟」も、遠くなったいまもなお。
そのことに私たちも驚きます。
  

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2 展覧会案内
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井上よう子展 ―言葉がくれたもの―    12月7日(土)−18日(水)
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30年前に出会い、すでに画ける人だった。
そのころから青を基調にしていたが、誠実極まりない表現者としての深化を
伴走できたことはこの上ない喜びだ。
命あるものは必ず逝く。その哀切を抱きながら人は生きる。死や別離の降り
積もる体験が抒情を削ぎ落とし、近作では荘厳の気配に満ちながら射し落ち
る光が背筋を正す。
日常でも画作においても「生きること」を飽まず問い続ける姿勢は、恩師、
三尾公三の「完成度、インパクト、発想の斬新性、格調」の教えへのまっす
ぐな応答である。

作家の言葉は下記でどうぞ
http://gallery-shimada.com/?p=6570

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櫻井類 惑星の肉体的な魅力        12月7日(土)−18日(水)
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塩屋から須磨の一駅のあいだ、時間にすればほんの2,3分の移動ですが、窓
の外には海が開けていてそれをほぼ毎日見ています。
毎日見るというのは旅先の一度きりの出会いの景色とは違う、風景を風景と
して片付けられないというか。
季節や天候や時間によって変わる眺めは、だんだんと人格的なポーズや表情、
佇まい、立ち居振る舞い、衣服や肌理といったものに近いものに感じてきま
す。親しくなるんですね、分かってくるから新しいものも見えてくるという
感じ。

http://gallery-shimada.com/?p=6573

12月15日(日)17:00〜
アーティストトーク 櫻井類×中井浩史(画家) [要予約・無料]

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3 今日の言葉
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散華

いつまで
この沈黙に この近さと 遠さに
耐えられるのだろう
眼差しは わたしの胸に
ふりそそぐ ふりつもる
花びらを開く季節を
幾度も 繰り返して
ただひたすら
散る花となりながら
言葉が結ばれる時を
念じながら

あの時舞い散った
言葉にならない言葉は
燃えるような幻の花になり
それを覆っていった
夜の暗闇の中で 火花になって
生命は 慄きながら 躓きながら
やがて 跡形もなく―――
黄泉からの風に運ばれ
遠く遠く流れ渡って
本当に たどり着いたのだろうか
それぞれの星座まで

この広く深い宇宙の
この地で この樹の下で
花を散らしあう魂よ
花はすでに 体を埋め尽くしていて
もし 時満ちれば
いつでも すべてを捧げ
きっと
たどり着くだろう

井野口慧子

(誌と批評 アルケー No.20 2019年8月1日 から)

この詩を読んだとき井野口さんの遺詩を読んだ気がして手元にもっていた。

12月2日、智内威雄(左手のピアニスト)さんから訃報を聞いた。

智内威雄(KOBE ART AWARD大賞受賞者)は井野口さんのふるさと三次での
11月24日のコンサートのアンコールで、井野口さんが、どうしてもこの「散
華」を読みたいと言い、読んだという。
井野口慧子さんは同じ広島でアーサー・ビナードさんとも親しい。
ご冥福をお祈りいたします。

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