Gallery SHIMADA メールマガジン 1030 号

□■□2014年10月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE
  Info―1030号
           風強けれど心洗われる日  
          
1 蝙蝠日記  心の深くに静かに満ちてくるもの 
2 今日の言葉  
自分に敵対する意見を、常に人々に伝え続けることそれが民主主義だ

登録、解除は下記から(新しくなっています)
メルマガ登録・解除フォーム(バックナンバーリンク)
http://gallery-shimada.com/mailmagazine/

面白いと思われたらお勧めください
#################################で
蝙蝠日記  ツゥリステスを宿した人
先週は横浜トリエンナーレへ行ってきましたが、今日は気持ちのよい目覚めで
朝から後藤正治さんの「天人 深代惇郎と新聞の時代」(講談社)を読み、本を抱えて
街へ出てギャラリーまわりをしてきました。
「天人」には深代惇郎は人間として稀な品格を持ち文品をもち多くの人々に愛され
忘れえぬ記憶を刻みながらも急性骨髄性白血病のため46才で急逝されました。
深代を惜しむ多くの方の言葉や振る舞いに何度も頁を繰る指が止まりました。
1週間前の1026号にまだ156P(全360P)しか読めていませんけど、深代惇郎という天
から遣わされたような稀有の人材(モーツアルトを思いました)と書きましたが、読み進
むと「深代のなかにもモーツアルトと同じツゥリステスが棲んでいたのかもしれない」と
いう言葉に出会いました(P324)。有名な小林秀雄の「疾走するかなしみ(ツゥリステス)」
を思いだしますが、後藤さんは「深代惇郎は、その内部に、詩的なもの、叙情的なもの、
文学的なもの、あるいはツゥリステスと呼ばれるものを宿した人だった。それが文藻(ぶ
んそう)の源を成していた」と評しています。

一杯、付箋を付けてよみ進みました。余りにも多くのことを学び、考えさせられました。
「知の力というものが、集積した情報や知識によって解を見出すのではなく、問いを問い
として保持することを止めないことによりウェートがあるとするなら、そのことにおいて
深代にもっとも知性的なものを感じるのである」P215

途中でなにか既読感があるなと、立ち止まって考えて、はたと書棚を探しました。島田巽
「ふだん着の英国」です。島田巽は叔父にあたり朝日新聞の論説副主幹まで務めました。
深代さんがロンドン支局長であったころの支局(タイムズ社のビル)があったフリート街
の息吹を伝えるところ(P224)が「ふだん着の英国」にも、タイムズの内外(P72)とし
て出てくるのです。二人の間にはちょうど20年の開きがあります。直接の上下はなかっ
たと思いますが、巽叔父も当然、深代さんを知っていたでしょう。叔父は、ちょうど20
年前に亡くなりました。深代さんの話しを聞いてみたかったですね。
「天人」の読後感は、心の深くに静かに満ちてくるものがあり、それが次第に瞼を濡らし、どこか洗われた思いに浸るのでした。
■■■■
心洗われることをもう一つ
木原法子「2014ありがとう展」 生田神社会館での展覧会に行ってきました。
木原さんは長い画家歴をもたれ、海文堂ギャラリーで二度ほど展覧会をされました。
木原さんの作品についてもゆっくりお話しました。

本展の売り上げの全額を「こぶし基金」へ寄付いただきます。
会館の入り口に大きな立看板があり「売上金の全てを芸術文化活動に寄付
します」として財団のロゴと公益財団法人「神戸文化支援基金」の名前が記されて
います。
30日(木)まで 10:00から17:00 最終日は15:00です。
木原さんも寄付先を「こぶし基金」にされたことを大変、喜ばれておられ、お互い魂を
浄化される気がし、なにより、そのお気持ちがうれしかったです。
近くに行かれたかたは是非、お立ち寄り下さい。
■■■■今日の言葉
「放送の勇気とは、どれだけ少数者の意見を伝えるかにある。もしBBCにそれができない
なら、体制の意気地ない、青白い影法師だと非難されてもしかたないだろう。BBCも体制
の一環だ。しかし、われわれの体制とは、自分に敵対する意見を、常に人々に伝え続けねばならないこと、それが民主主義だと思っている」  話しを聞きながら、これは古典的といえるほど見事な自由主義だと思った。また国営放
送の責任者がこのような信条を、だれに気がねもなくズバリと言ってのける国は、やはり
立派な国だと考えざるを得なかった。
英国国営放送BBCのカーラン社長を招いた食事会で
「天人」の「ロンドンから――言論の自由」1972年4月11日 P226
蝙蝠から
民主主義の彼我の違い、成熟度の違いを感じざるを得ません。1972年から40年以上
たっても、日本の状況はむしろ後退しています。
自由であると思われている神戸でも、著しく後退していることを身をもって感じます。
####################################
公益財団法人「神戸文化支援基金」(こぶし基金)は兵庫・神戸の文化の土壌を
豊にする芸術活動に助成しています。
http://www.kobushi-kikin.com/
本基金へのご寄付は、公益財団法人への寄付として寄付控除の対象となります。
・みなと銀行 北野坂支店 普 1656831 公益財団法人神戸文化支援基金
・郵便振替口座:公益財団法人 神戸文化支援基金 00950-0-322393
他行から振込みの場合は店番 099 当座 0322393
■発行元 ギャラリー島田・アートサポートセンター神戸
〒650-0003 神戸市中央区山本通2-4-24リランズゲートB1F・1F
 TEL&FAX 078-262-8058
発行責任者 島田誠
ホームページ: http://www.gallery-shimada.com
メールアドレス:gallery.shimada@dream.com