■□■□2019年6月 Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE Info―1480号 6月8日

■□■□2019年6月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE Info―1480号 6月8日

               相似と相克
            奥田善巳と木下佳通代

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1 蝙蝠日記  どこまでも道は続く

2 展覧会から  奥田善巳・木下佳通代の相克
         山口よしこ展

3 今日の言葉  ふたつの世界に生きようとするとるものは・・・
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1 蝙蝠日記  どこまでも道は続く
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一年がかりで取り組んできたモニュメントがようやく披露の日を迎えました。
近く、発表させていただきます。

どんどん新しい取り組みが押し寄せてきて立ちすくむ思いです。
が しかし 震源地は私なのです。
死ななきゃ直らない。

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2 展覧会から
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コレクション+ シリーズNo.5「奥田善巳・木下佳通代の相克」
6/8(土)〜6/19(水)
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最も力を入れているシリーズ
「コレクション+」 No.5 は 奥田善巳・木下佳通代の相克 です。
展示をしてみて「相似と相克」だと思いました。
お二人の初期作品から亡くなられる直前までの様々な技法による歩みをご覧
いただきます。

ギャラリー島田の通信6月号の「美の散歩道 84」に越智裕二郎(西宮市大谷
記念美術館館長)が書いて下さいました。

お二人と筆者が出会ったのは、奥田さんが北野に於いていたアトリエを焼失
した頃、1983年であった。
ちょうど木下佳通代さんが1981年ハイデルベルグの美術館で写真を使った作
品の展覧会を開催、好評を博して帰ってきた直後である。
彼女はすでに仕事を写真から油彩画に移しており、ぬぐうシリーズからスト
ロークを使う平面に移っていた頃であったろう。 
1985年彼らは、新しく三菱倉庫屋上(神戸港岸壁)の部屋を借りてアトリエ
とした。部屋は共用、確かお昼の時間で、彼らはアトリエを交代していたと
思う。
100号を余裕で描けるスペースがあった。邪魔も入らず、海・山の景色もす
ばらしく、恵まれ た環境ではなかったろうか。
近くだったので時折呼ばれ、博物館から自転車で彼らのアトリエに遊びにい
った。息抜きだったのだろう。
またこの屋上で、彼らは阪神間の作家たちを集めてパーティも開いた。情報
交換の楽しい場にもなり、シニカルな奥田さんは寡黙だったが、木下佳通代
さんは常にパーティの華であった。 
この頃、二人は競い合うように次つぎに新作を発表した。同志社大学京田辺
校舎の図書館に納められた二人の300号の大作はこの時期の代表作だろう。
知的に論理的に画面を構築する奥田に対して、しだいに鋭さと自由さを増す
木下のストロークは観るものを一瞬で引き付ける魅力があった。見る人はそ
れぞれの好みを話題にした。 
そんな二人に衝撃が走る。1990年2月、彼女の乳癌が告げられたのだ。木下
は癌治療より制作を優先することを決意し、奥田も協力した。
木下は毎年、新作を発表し続けた。民間治療のためアメリカ西海岸にも行っ
た。私たちは白鳥の歌と呼んでいたが、1994年不帰の客となるまで彼女は常
に前進を続けた。享年55歳。
残された奥田も制作を続けた。晩年声を失いながら、それでも孤絶の中で制
作を続け、彼を知る僅かの人がじっと個展で発表される彼の作品を見続けた。
奥田が亡くなったのは2011年のことである。
またこの度二人の作品がならぶという。古びのない彼らの作品とまた対峙す
ることができる。彼らに応分の評価がなされることを願うばかりである。

http://gallery-shimada.com/?p=6175

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山口よしこ展   6/8(土)〜6/13(木)
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創作とは人間の営みであり、私と自然との間で何か貴いものを交歓する精神
のありようのこと。
山口はそれを作曲に似ているという。
カンバスに向かうとき、すでに内在化され精神の襞となったイメージが取り
出されることを待っている。
選びとられた詩的形象が前回に比して引き締まっているように感じるのは、
その襞に時代の危機を孕んでいるからに違いない。
2011年、2015年に続く今回。その確かな航跡をご高覧下さい。

島田誠

http://gallery-shimada.com/?p=6178

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3 今日の言葉
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ふたつの世界に生きようとするとるものは、たえず居心地のわるい思いにさ
いなまれる運命をのがれられない。

詩人ウンベルト・サバについて
須賀敦子「トリエステの坂道」24P

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