□■□2014年10月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE
Info―1026号
横浜トリエンナーレへ行ってきました。
1 蝙蝠日記 世界の中心には忘却の海がある
2 旅の友 「天人」 深代惇郎と新聞の時代
2 今日の言葉 「芸術」という名の舟に乗り込み
「忘却」という名の大海へと冒険の旅に出る
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蝙蝠日記 世界の中心には忘却の海がある
なんとか都合をつけて横浜トリエンナーレへ行ってきました。とても良かったです。
芸術監督、森村泰昌さんの時代の危機意識が隅々までいきわたってその緊張感が
伝わってきて感動しました。11月3日までですがお薦めします。
横浜美術館、新港ピア会場などほとんどが有料ゾーンなのですが賑わっていました。
私も三会場を5時間以上かけて巡ってきたのですが、多様な表現をゆっくりと五感を総
動員しながら楽しみました。
会場で遊免寛子(兵庫県美)、森下明彦(美術研究家)と偶然お会いしました。10年も前
にヴェネチビエンナーレの会場で木下智恵子(インディペンデント・キュレーター)さん
とばったり会ったことなど懐かしく思い出しました。長い会期、広い会場で偶然出会うの
ですからその確率は100万分の一くらいかもしれません。アトリエンナーレで森村さんを
補佐するチーフスタッフの林寿美(インディペンデント・キュレーター)さんとコディネ
ーターの鈴木祐子さんが遅いランチをカフェで食べようとしているとわざわざ来てくだ
さり、感想などを伝え、「加川プロジェクト」の話しなどをしました。このプロジェクト
にお招きする上田假奈代さんの釜ヶ崎芸術大学(西成)に「横トリ」でも大きな場が与え
られ、しかも多くの人を惹きつけていました。私も感動しました。
私たちのプロジェクトも必ず見に来てくださるそうです。(前回もこられたそうです)
今回、神戸にお招きする五十嵐太郎さんが芸術監督された「愛知トリエンナーレ2013」
も「揺れる大地ーわれわれはどこに立っているのか」で、これも優れたものでした。
こうしたビエンナーレ、トリエンナーレは全体として一つの巨大な芸術作品であり、その
ために芸術監督が存在するのです。
まだ、なにも横トリの魅力について語っていませんが、時間がありません。次回に。
◆
神戸新聞によりますと「神戸ビエンナーレ2015」をめぐる公開シンポジウムが10月26
日(日)に東京都美術館講堂で開かれるそうです。都合がつけば聴きに行きたいものです。
様々な検証をされた「神戸ビエンナーレ」の次回をどのようにされるのか、まずは地元神
戸での公開シンポジウムが必要だと思います。
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旅の友は後藤正治さんの「天人 深代惇郎と新聞の時代(講談社)でした。
まだ156P(全360P)しか読めていません。前作が「清冽」で詩人茨木のりこの肖像でした。読後、また書いてみたいです。
その主題の選び方からも後藤さんの時代への意識がひしひしと伝わってきます。本書も
深代惇郎という天から遣わされたような稀有の人材(モーツアルトを思いました)を通じ
ジャーナリズムの危機を問うもので、いつもよりさらに取材も周到を極めているように感
じます。本書に登場する本田靖春は読売新聞。「我、拗ね者として生涯を閉じず」は、発
売すぐに求めて貪るように読んだものです。
すべては「懐旧」に留まることなく、私たちが問われていることを強く意識します。
深代さんの、本田さんの、後藤さんの、森村さんの意識は、私たちのものでもあるはずで
す。
■■今日の言葉
忘却の海に漂流する
忘却の海へと向かう冒険の旅
ヨコハマトリエンナーレ2014がめざすのは
芸術的冒険の可能性を信じるすべての人々
そして、大胆な世界認識を持ちたいと望む
すべての人々と共に
「芸術」という名の舟に乗り込み
「忘却」という名の大海へと
冒険の旅に出ることである
すべてを見終わった旅人(観客)が、最後に目にするのは、茫漠たる忘却の海である。
それは記憶や情報がおよびもつかない、広大な世界である。旅人はこの忘却の海へと
漂流する。それぞれの到達点を探し出す、それぞれの旅がここから始まる。
語らぬこと、語ってはならぬこと、語りえぬこと。見えぬもの、見てはならぬとされ
るもの。とるに足らぬ出来事、なんの役にも立たぬ行為。
これら記憶世界にカウントされる値打ちもないと判断された無数の記憶されざる
記憶達に目を向ける旅。私達のまなざす力を育む旅。
ヨコハマトリエンナーレ2014 が目指すのは、そんな心の旅物語である。
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