■□■□2019年1月 Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE Info―1461号 1月23日

■□■□2019年1月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE Info―1461号 1月23日

             縄文と沖縄

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1 蝙蝠日記  多田智満子さんを偲ぶ
   2003年1月23日 多田智満子さんが逝去されました。
   遺稿集「封を切ると」を読み返していました。
   
2 展覧会へのお誘い
   津高和一展 deux
   津高先生と共に歩んだ吉田廣喜展 trois
   人間・風景・記憶・旅展 un

3 映画「岡本太郎の沖縄」(葛山喜久監督)へのお誘い
   元町映画館で上映されていますい

4 今日の言葉
   沖縄は、まったく異質な天地なのだ
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1 蝙蝠日記
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1月23日は多田智満子さんを偲ぶ「草風忌」です。
「草風忌」については2013年12月の蝙蝠日記をお読み下さい。
 
http://gallery-shimada.com/koumori/?p=120

ここに書かれている事に私は深く関わっていた。
”御政道批判すなわち打首の昔を今になすよしもがな―現代の権力者―”
私は多田さんの良き読み手とは、とても言えないが、「草風忌」を明日に控
え 「封を切る」「句集 風のかたみ」「告別式次第」「定本 多田智満子
詩集」などで思いに耽っています。

http://gallery-shimada.com/cgi-bin/magazine/magazine.cgi?mode=bkview&bk=34

「多田智満子さん三途の川を虹の架け橋で渡る」
 
詩人で、現代を代表する明晰な知性をもつ文学者であった多田智満子さんが
1月23日午前8時58分にお亡くなりになった。72才でした。
この日、神戸から東の空をながめると六甲山系から大阪湾にかけて見事な七
色の虹が壮大に掛かったという。
生前最後の出版となった秀逸なエッセイ集「犬隠しの庭」(平凡社)に「虹
が水を飲みにくる」という項がある。
虹ほど美しく、静かな夢想をさそうものがあるだろうか、と虹を讃えたあと
「雨上がりの夕刻、川向こうの東の稜線に片脚をおき、片脚を広大な桑畑の
果てにおいて、ぐっと上半身をのりだしたような、すばらしくスケールの大
きな、美しい虹。
それは天に高々とかかる七色の巨大な円弧のなかに人の世をそっくり包みこ
んで、どこか遠い山の彼方、この世の彼方へ、すっと運び去るかのようであ
った」と書く。
六甲の稜線に片脚をおき、片脚を広大な大阪湾においてと亡くなられた23日
の情景にそのまま読みかえられる。
心を通い合わせた澁澤龍彦さんがハレー彗星の壮大な箒尾にのって天空の星
に「帰一」したと多田さんが語ったように、多田さんも壮大な虹の架け橋で、
三途の川を7日かけてわたり天空の星に帰一したに違いない。

中国では虹は龍に喩えられる。私は龍となって、彗星の箒尾にのって昇天し
た澁澤龍彦を追う多田智満子さんの姿を瞼に浮かべる。

封を切ると―――
    光の目つぶし
    きのうがあしたになり
    終わりが始まりになり
    夢幻が無限になって・・・・。

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2 展覧会へのお誘い
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津高和一展  津高和一を偲んで、豊富な資料とともに 
1月19日(土)〜 1月30日(水)   deux
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会場風景はこちら
http://gallery-shimada.com/?p=5841

スタッフ島田容子がblogでご紹介いたします
http://gallery-shimada.com/blog/?p=8338

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津高先生と共に歩んだ吉田廣喜展
1月19日(土)〜 1月30日(水)   trois
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初日の吉田廣喜さんによるギャラリートーク「津高先生と共に歩む」は満席
になり、興味深いお話しをお聞きすることが出来ました。
http://gallery-shimada.com/?p=5816

スタッフ山本貴士がblogでご紹介いたします
http://gallery-shimada.com/blog/?p=8334

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人間・風景・記憶・旅展
1月19日(土)〜 1月30日(水)   un
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会場風景はこちら
http://gallery-shimada.com/?p=5809

スタッフ林淳子がblogでご紹介いたします
http://gallery-shimada.com/blog/?p=8351

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3 映画「岡本太郎の沖縄」(葛山喜久監督)へのお誘い
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監督のトークの聞き手として沖縄に長くかかわり合いをもたれてきた坪谷令
子さんにお願いしました。

坪谷さんからのメッセージです。

映画『岡本太郎の沖縄』が1月19日から2月1日まで、元町映画館で上映され
ます。
2018年制作のドキュメンタリー映画は、岡本太郎さんが訪れた「1959年と66
年の沖縄」と「今の沖縄」を重層的に映し出します。

本島や八重山で、そして久高島で…岡本太郎さんが出会った「沖縄」は、今
の私たちに何を問いかけてくれるのでしょうか。

1月27日(日)、15時から17時までの上映後、葛山喜久監督によるトークが
2階ロビーで予定されております。(1時間ほど、無料、申し込み不要)

その「聞き手」を私がさせていただくことになりました(なってしまいまし
た)…島田誠さんからの要請でピンチヒッターとして。

映画を観た後、監督・葛山喜久さんの想いをお聞きしながら、今を生きる私
たちが「今」をともに考え合う時空となりますように…そう願っております。

元町映画館でお会いできましたら幸いです。 2018年1月18日・記

坪谷令子

映画については https://eiga.com/movie/89936/

昨年9月の重松あゆみ展は「JOMONの面影」で岡本太郎の縄文に深く出会いま
した。
今回は岡本太郎の沖縄の沖縄に出会います。

是非、ギャラリー島田共々、お運びください。

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4 今日の言葉
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沖縄は、まったく異質な天地なのだ。本土とまるで違っていながら、ある意
味ではより日本的である。
あの耀く海の色、沖縄の人たちの人間的な肌ざわり。もちろん、あの「沖縄
時間」を含めて。
本土の一億総小役人みたいな小じんまりとした顔つきにうんざりした人は、
沖縄のような透明で自然なふくらみ、その厚みある気配にふれて、自分たち
が遠い昔に置き忘れてきた、日本人としての本来の生活感を再発見すべきな
のである。

「岡本太郎の見た日本」 P216 より

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