■□■□2019年1月 Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE Info―1459号 1月17日

■□■□2019年1月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE Info―1459号 1月17日

       阪神大震災からの日々をどのように生きたか   
        これからの日々をどのように生きるか

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1 蝙蝠日記   1.17 を忘れないという意味

2 展覧会へのお誘い

3 今日の言葉
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1 蝙蝠日記
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この日のことは忘れたことはない。

この日を思う時、私にとっての執拗低音(バッソ・オスティナート basso
ostinato)は次の言葉です。

かってわが国に厳然と在った、ともに悲しむとことのできる宗教的な感情や
倫理の基盤を根こそぎ崩壊させたなれの果ての欲望自堕落空間に私達は生き
ているといえようか。

切断された日常の切れ目で、あの日、こう問うたはずだ。

信じるに足る社会を、本当に築きあげてきたのか。人と人とが信頼しあい、
ともに歩むことの出来る社会意識を、私達は培ってきたのかと。

だが、

問いは、日常の回復と共に薄れ、やがて問いそのものも消えようとしている。

問いの刃は、亀裂によって明らかになったものに向けるのではなく、隠蔽す
る構造の方に向けるべきである。

あの災害はなんであるのか。何度も思い起こすこと、深く想起すること。私
達は、ここを、旅立ちの場とし、私的な記憶を通路として歩もうと思う。

季村敏夫の言葉 「生者と死者のほとり 阪神大震災・記憶のための試み」
(人文書院 1997年11月) 

その日から私がなしてきたことを辿ってみる。

「アートエイド神戸」。
竹下景子さんの朗読の会。
「アーツエイド東北」の設立。
加川広重巨大絵画プロジェクト。
財団を通じての東北志縁など。ひとつながりなのです。

震災、災害への備え、教訓を忘れないのは大切ですが、私は、あのあとの人
びとに広がっていた人が人として等しく「生きているだけで良かった」と感
じた透明で平明な感覚を忘れることができません。
語り続けているのはそのこと。天災への備えよりも人災への備えかもしれま
せん。

この日を迎えるごとにくりかえされる「わすれない」は「生者と死者のほと
り」の問いからは遠い。

17日は、
ギャラリー島田Troisの入り口には林哲夫「1995年1月17日 長田」と、津高
和一の1994年の「響」を飾ります。
林哲夫さんは当時、長田にお住まいでした。津高和一さんは震災で亡くなら
れたが、その直前の作品です。
(ギャラリーはこの日は休廊、展示作業日ですが、これらの作品はご覧いた
だけます)

1月13日の「神戸・あいウォーク2019」に久しぶりに友人と途中まで
でも参加するつもりでしたが大切な友が危篤になり断念しました。

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2 展覧会へのお誘い
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19日(土)から三つの展覧会が始まります。
 
 津高和一展  deux

 津高先生と共に歩んだ吉田廣喜展  trois

 人間・風景・記憶・旅展  un

次回 ご案内させていただきます。

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3 今日の言葉
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あの揺れ知らんお前は神戸市民と違う!

私は震災のあった日の夕刻に関西空港に英国から帰着。

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