■□■□2018年11月 Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE Info―1449号 11月16日

■□■□2018年11月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE Info―1449号 11月16日

           魔法のような11月14日  

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1 蝙蝠日記  11月14日が招く不思議 

2 神戸塾サロンのお誘い

3 今日の言葉 
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1 蝙蝠日記  仰天しました
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言わずもがな、私の誕生日を、公言してしまいました。
石井一男さんの神戸市文化賞の授賞式がちょうどその日だったのです。
私は、介添え役で出席しました。

ほっとした昨日のことです。
夕刻、知人を介して、NY在住の写真家の御夫妻が来られました。
初対面です。
おしゃれに黒ずくめに帽子、丸い眼鏡の長身。頭も、眉も、髭も白く、
仙人か哲学者のような佇まい。

作品も素晴らしい。

近寄りがたい感じでしたが笑顔が可愛い。

恐る恐る

「お年は」と尋ねた

「昨日が誕生日でした」  ええ!!

「それでおいくつ?」

「76になりました」

ええ!!

何と、同い年。同じ日に生れた!

スタッフも ええ!!

栗田紘一郎さんでした。

http://koichirokurita.com/index

このお話しの続きはまた。

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2 神戸塾サロンのお誘い
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第353回 火曜サロン
ベオグラードから山崎佳代子さんをお迎えして
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この時代、この時だからこそ書き残していかねばならない。
そして私たちも、耳を開いていないといけない。

食べ物は記憶、料理は甦り『パンと野いちご』(勁草書房、2018)をめぐって

対話:季村敏夫×扉野良人×山崎佳代子(著者)

11月27日(火) 18:30 〜 20:00
参加費:¥1000
要予約

『パンと野いちご』は、1991年旧ユーゴスラビア内戦が続く2000年までの間に、
故郷の家を追われ、難民となった友達の声を綴った書物。
3年間かけて旅を続け、30名以上の仲間に聞き書きをして生まれました。
生きるために欠かすことのできぬ「食物」を手かがりに、ひとりひとりが戦争
という時代をどのように生きたか語っています。
「戦争について、食べ物を通して話して」という簡単なお願いの答えは、どれ
も厚い織物のように続き、長い語りは9時間にも及び、それは、小説でした。
偶然の立ち話、沈黙から発せられた短い答えは、一篇の詩 のように心に響き
ました。  
誰にでも身近な食べ物、料理を語ることで、難しい地理的、歴史的な 状況を軽
やかに超えて、戦争がもたらす闇、そこで誠実に生きる人が放 つ光が、明らか
になりました。
巻末には、お話に出てきた料理の作り方をおさめています。  

御仏のような、同時に聖母のような女性像を描き続ける石井一男氏の作品に囲
まれ、混沌たる闇を進む世界の行く先に、みなさんと一緒に光を灯してみたい
と思います。

山崎佳代子

そうなのです。
昨年、神戸塾へお招きしたのが11月28日。
この時も石井一男展で、山崎佳代子さんは、石井さんの作品に囲まれてのお話
をとても感銘深く覚えて下さっていたのです。

とても大切な機会です。是非、お運びください。

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坪谷令子展 「いのちのカタチは…」 関連サロン企画
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◆ 11月17日(土)17:00〜
第352回 日曜サロン「浪花の歌う巨人・趙博ライブ&トーク」

◆ 11月20日(火)17:00〜
たかはしべんミニライブ

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3 今日の言葉
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血まみれの童話―デサンカ・マクシモビッチ

それはある農民たちの国のこと
山がちのバルカンで
苦しめられて死んだ
生徒の一隊が
ひとひのうちに

同じ年にみんなが生まれ
同じ学校の日々が流れ
同じ式に
いっしょに招かれ
同じ種痘をみんなうけ
同じ日にみんな死んだ

それはある農民たちの国のこと
山がちのバルカンで
苦しめられて死んだ
生徒の一隊が
ひとひのうちに

死の瞬間の
五十五分前
教室の机にむかって
小さな一隊が
同じ難しい問題を
解いていた「旅人が
歩いていけばどれだけ・・・」
などと

みんなのあたまは
同じ数字でいっぱいで
ランドセルのノートには
無数の五点や二点が
意味もなく並んでいた

同じ夢と
同じ秘密に
祖国への愛や恋心を束ね
ポケットのなかに握りしめて
そしてだれもが思った
ずっと
これからもずっと
青い空の下を駆けていくんだと
この世の問題をみんな
解きおわるまで

それはある農民たちの国のこと
山がちのバルカンで
いさぎよく死んだ
生徒の一隊が
ひとひのうちに

少年たちは列をくみ
手をつなぎ
そしてさいごの授業から
処刑場へしずかに向かった
死など何でもないかのように
仲間たちは列をくみ
同じ時を登っていった
とこしえのすみかへ

(山崎佳代子「ベオグラード日誌」P57-61)

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