□■□ 2018年2月 Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE Info―1400号 2月16日

□■□ 2018年2月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE Info―1400号 2月16日

             ベルリンから       

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1 蝙蝠日記   運命との付き合い方

2 展覧会へのお誘い   加藤竜「ハラキリ御免!」

3 今日の言葉  
「止まっている時間」というものを次の時代に送りたい。
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1 蝙蝠日記  ベルリンからの手紙 「運命との付き合い方」
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運命についての概念は人それぞれ異なるものだと思う。どのような環境に生まれるかなど
自分の意志では変えることができない運命、そして解釈の仕方によって意志的に変える事
が可能な運命も存在すると私は考える。日常起きる様々な現象は恐らく全て偶然性という
より、必然性から生じるのではないだろうか。その個々の要因を全て解明できないため、
人はそれを「運命」という言葉で解釈しているのだろう。
その「運命」という言葉に置き 換えられた現象の要因を察知し、うまくそれと付き合うこ
とが実り豊かな人生を送るため の鍵になるのではないだろうか。
高校卒業後日本を離れ約20年、ベルリン芸術大学を経て現在ベルリンを拠点にドイツ国 外
で作品発表を続けているが、自分のこれまでの道のりを振り返ってみると、運命に対する
この概念が重要な役割を果たしてきたように思う。
テーマは日本を離れた時から一貫し 自然と人間の関係そして環境問題に重点を置き、人々
にメッセージを訴えるために作品を 描き続けてきた。
早い時期に日本を離れこのテーマに行き着いたことは、やはり運命的要因が理由となって
いる。幼いころに父から囲碁を教え込まれ、プロ棋士になるため東京のあるプロ棋士のも
とへ弟子入りさせられたこと。
一見すると芸術とは全く関係ない道のりに感じられるだろう。しかしこの異質な道のりが
私の芸術の核となり、私の人生の基盤となる。幼いころから絵を描くことに夢中になって
いた私は中国山地の自然豊かな山奥で幼少を過ごし、9歳の時突如大都会に出され6年間
内弟子生活を送る。しかしこの大きな環境のギャップが常に幼い私に自然と人間について
考えさせ、当時ある本屋で手にしたモネ の画集が自分をアートの世界へと向かわせること
となる。 今回ギャラリー島田で展示される作品も、これまでの自分の運命との関わりから
生れたものです。
そこから湧き出たメッセージを感じ鑑賞していただけると幸いです

加藤竜さんがgallery Information 1月号の「美の散歩道」N067に寄せたエッセイです。
 
その加藤さんをベルリンから迎えます。

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2 展覧会へのお誘い  「ハラキリ御免!」 

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加藤竜 「ハラキリ御免!」 2月17日(土)ー28日(水)
作家のメッセージをどうぞ
http://gallery-shimada.com/?p=5132

迫力に満ちた会場風景をスタッフ I  がレポートします。
http://gallery-shimada.com/blog/

加藤さんは19日(火)まで在廊 ベルリンに戻られます。

この機会に是非、ご覧いただき、交流してください。

◆ 2月17日(土)17:00〜 オープニングレセプション
◆ 2月18日(日)14:00〜 加藤竜アーティストトーク 聞き手:島田誠

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3 今日の言葉
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じっとしている、いつのまにかじっと考え込んでいるような、そういう止まっている時
というのはとても大切なことが一杯詰まっている時間です。
どのみち皆死ぬ、わたしもそのうち死んでいくのですが、その中で生きている実感、そ
こにはつらいことももちろんたくさん含まれていますが、その実感がたくさん詰まった
「止まっている時間」というものを次の時代に送りたい。
石牟礼道子「蘇生した魂をのせて」P128

人間の文明を向上させるいっさいのもの、つまり博愛、献身、養育、哀悼の念は、
すべて女性に始まるということが出来る。 バハオーフェン「母権制」より 
石牟礼道子「言葉、いのちの海」P58からの引用

2月10日 逝去されました。90歳でした。

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