■□■□ 2017年12月 Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE Info―1389号 12月22日

■□■□ 2017年12月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE Info―1389号 12月22日

               日の名残り

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1 蝙蝠日記  「壁」

2 《現代生け花・美術》展  ―松井禾風、華道壮風会展
 
3 今日の言葉  怒るときに怒らなければ、人間の甲斐がありません
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1 蝙蝠日記  日の名残り   
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そんな懐旧を思わせる日々
カズオイシグロさんが語りました。

私たちは今日、部族間の憎しみがますます大きくなり、共同体が分裂して集
団が敵対する時代に生きています。私の分野である文学と同じく、ノーベル
賞は、こうした時代にあって、私たちが自分たちを分断している壁を越えて
ものを考えられるよう助けてくれ、人間として共に闘わねばならないことは
何かを思い出させてくれる賞です。
(ノーベル賞受賞スピーチから/2017)

ライバルで友でもある村上春樹さんが語りました。

もし、硬くて高い壁と、そこに叩きつけられている卵があったなら、私は常
に卵の側に立つ。
そう、いかに壁が正しく卵が間違っていたとしても、私は卵の側に立ちます。
何が正しくて何が間違っているのか、それは他の誰かが決めなければならな
いことかもしれないし、恐らくは時間とか歴史といったものが決めるもので
しょう。しかし、いかなる理由であれ、壁の側に立つような作家の作品にど
のような価値があるのでしょうか。
(エルサレム賞受賞スピーチから/2009)

大江健三郎さんが語りました。

言葉によって表現する者と、その受容者とを、個人の、また時代の痛苦から
ともに恢復させ、それぞれの魂の傷を癒すものとなることを願っています。
(ノーベル賞受賞記念講演から/1994/「あいまいな日本の私」岩波新書P375)

今、「あいまいな日本の私」での上記の記念講演を読み返してみて、まこと
に痛ましい。
1994年1月7日の大江の認識、危惧がそのまま現実としての私たちの無力へと
繋がっている。               

「壁」
文学に関わらず表現者はありうべき世界を目指して壁を越えていくことを
missionとして抱く。
そんな世界のことを持ち出すまでもなく、身の回りの壁を乗り越えていくこ
とに挑戦するのは私たちの日々の思いでもあります。

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「壁」を塗る
ギャラリー はスタッフと助っ人を交えてメンテナンス作業に入っています。
壁を壊すのではなく塗っています。
23日から《現代生け花・美術》展が。26日まで。
そのあとお休みをいただいて、いよいよ40周年を迎えます。

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2 展覧会案内
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《現代生け花・美術》展  松井禾風、華道壮風会展。
12月23日〜26日(12:00〜19:00 最終日16:00まで)
ギャラリー島田1Fdeuxにて。

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3 今日の言葉
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「怒るときに怒らなければ、人間の甲斐がありません」
作家、太宰治が、河盛好蔵という大編集者宛ての手紙に記している。

小宮山量平さんの最後のエッセー集(になった、2006年刊の)
『地には豊かな種子を』の帯(表)にある言葉です。

そして帯(裏)には
くたびれたら すこし やすもうよ
やすんだらむっくりおきて またあるこうよ

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