■□■□ 2017年5月 Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE Info―1323号 5月28日

■□■□ 2017年5月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE Info―1323号 5月28日 
 
              衝撃を受けて興奮  

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1 蝙蝠日記   導かれるように
2 展覧会案内  充実の空間  二つ
         松岡美子展
         花井正子展
3 今日の言葉  
 今という悪夢へとむかう時においてすら「他人事」でおられるということ。
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1 蝙蝠日記   抽象の力
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ほとんど毎夜のごとくうなされるように眠りが中断される。
それは現今の状況への怒りが内向してのことのように思える。

心配され、もっと気楽にどうぞ。と、様々に誘われる。
でも、時間が出来れば、いきたかったけどいけなかったところを目指す。

26日(金)
季村敏夫(詩人)に誘われるように豊田市美術館(愛知県)を訪ねた。
そこでやっていた東山魁夷展にはめもくれず
特別常設企画展示 岡崎乾二郎の認識―「抽象の力」 
現実concrete展開する、抽象芸術の系譜
を時を忘れて見入りました。
そうか! と唸りながら。

これは、ともかく凄い!!
http://www.museum.toyota.aichi.jp/home.php

いま、詳しく触れることはできませんが、6月11日までです。

旅の友は十川信介「夏目漱石」(岩波新書)だったのですが、
会場でいきなり漱石と出会い、ど肝を抜かれた。

 日本の近代文学を基礎づけたことで知られる文豪、夏目漱石(1867-1916)
 はロジャー・ フライ (1866-1934)よりわずか2ヶ月遅れ1867年2月に生ま
 れている。漱石の功績は20世 紀以降の芸術を支配するモダニズムとよばれ
 る一連の問題群をその基礎から構造的 に把握し、批評、実作によって実践
 的に示したことにある。漱石によってモダニズム芸 術の思想は世界同時性
 をもって日本に着床する。(図録P4)

表現世界をある時で輪切りにして様々に起こったことが作品体験とともに。

漱石が「草枕」(1906)で、やがて抽象画と呼ばれるもの が出現することを、
すでにはっきり予告していた。

グレン・グールドの死の枕に「草枕」がおかれていたことも思い出します。

時間を忘れました。このことはまた書きます。

岡崎乾二郎さん、ありがとう。

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2 展覧会案内 
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松岡美子展  構築的で堅牢
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然りながら繊細で複雑な陶磁肌のごときマチエール。
真摯な追及の到達点を是非、ご覧ください。

会場風景です。
http://gallery-shimada.com/?p=4444

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花井正子展 虚(キョ)
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花井正子の強い思い
追い詰め、切り落とし、削り、磨き、ギリギリまで。
あろうことか、展示も延べ3日をかけた。

その思いが強度をもって伝わる。
会場風景です。
http://gallery-shimada.com/?p=4415
実は、これからさらに展示替えされているのです。

そこまでの強い想いを孕んだ作品空間とお出会い下さい。

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3 今日の言葉
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「国民は主権者ではない」ということの方が多くの日本人にとってはリアル
だということである。
戦後生まれの日本人は生まれてから一度も「主権者」であったことがない。
家庭でも、学校でも、部活でも、就職先でも、社会改革を目指す組織におい
てさえ、常に上意下達の非民主的組織の中にいた。
(内田樹 信濃毎日新聞 5月24日をはじめ、様々に語られていることば。)

◆●◆蝙蝠から
それが今という悪夢へとむかう時においてすら「他人事」でおられるという
こと。

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