Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE   Info―1249号

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  Info―1249号    9月13日
     
           金 昌国さんのこと
   その二(終)  
  
1 蝙蝠日記  苦労もたくさんありました 

2 今日の言葉  私はフルートを吹くのが好きなのです

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蝙蝠日記  若き日の告白と衝撃

金 昌国さんの「紆余曲折」と「苦労もたくさんありました」という言葉に感ずるものがあり、
金さんの今あることへの根底に流れるもの、彼を彼たらしめていることの一端を書いておき
たいと思ったのです。

このことはまず1980年(36年前)の海文堂書店が発行していた「読書アラカルテ」に書き
(残念ながら手元に見当たらない)、翌年に再び「金 昌国君のこと」として書いています。

ます、見当たらない記事を記憶をたどって再現してみます。

音楽の道を断念し、アマチュアの合唱指揮者として活動しながら三菱重工高砂製作所で働いて
いた。事業所から5分くらいの、今では考えられない粗末な寮。ベッドと机だけで、電話は管
理人室だけにあり、電話の呼び出しは全館放送で、呼び出されたものは階段を駆け下りる、そ
んな時代でした。

夏の夜、固いベッドに横になって日経新聞を開いていた。
最後の頁にある大きな文化エッセイ欄。そこに金さんの顔が。
夢中になって読んだ。

そこには金さんが在日であること、学生時代には疎外感に悩んだこと。
そしてドイツに渡って、大変な苦労を重ねたこと、その強い意識を支えたのは郷土と同胞への
想いであることが切々と書いてあり、私は座りなおして、読み返し、心の深くまで揺さぶられ
たのでした。

 その理由(わけ)は、私の方には全くの同級の友であり音楽仲間であることしかなかった
のですが、それを超えた深い理解や意識からは遠いところにいたことを知りました。

 その頃はまだ28歳くらい。金さんも同じ。多分、今なら彼はこの文は書かないでしょう。
だから余計に金さんの迸(ほとばし)る思いが伝わったのでした。

 その2年後に私は会社を辞して、海文堂を継ぎ、その9年後には在日の松村光秀さんと出会
い終生のお付き合いを果たしました。松村さんとの出会い、共に歩んだ道のりは「絵に生きる、
絵を生きる」に書きました。
松村さんに限らず、どこか異端であったり、少数派であったりする交友には金さんの記事から
受けた衝撃が底流にある気がしています。

 その翌1981年8月号の「読書アラカルテ」の「金 昌国君のこと」から抜き書きします。

5月10日に神戸文化ホールでの神戸一中の創立記念日で約20年ぶりに再会を果たした。
その後、連絡を取り合い、彼が、いよいよ日本に腰をすえて、音楽活動を積極的にすすめるこ
と、そして「東京バッハアカデミー」を彼自身が主宰し、その結成演奏会を7月8日に大阪で
開催することを知ったのでした。(その演奏についての感想は長くなるので略して)

 金君が自ら手がけたプログラムノートが独特で、曲目の解説というよりは、彼自身の、バッ
ハへの取り組みを語るという趣で
「昨年の夏でしたか、眠れない夜があり、ハノーヴァ―の自宅の地下室でフーガの技法のスコ
アを引っぱりだし、拙いいピアノを奏いてみたのですが、ふるえるような感動をおぼえました。
大バッハが人生の最期に、このような曲を書いた気持ちがよくわかるような気がしました」。

今回、金さんは「美しい音色 魅力伝えたい」のオピニオンに「神戸国際フルートコンクール」
の経緯についても触れています。
多くの市民や関係者の皆さんが存続を願い、様々な活動が見えてくるようになりました。
こうしたすそ野を広げながら世界に冠たるフルートコンクールを神戸から発信する。
新しい挑戦をされている皆さんに敬意を捧げます。

金昌国さんは現在もCDなどではChang-Kook Kimを併記されています。

文中で「君」と「さん」が混在していますが、若き日の「君」は友人の意識、「さん」は
独立した個人として使っています。
(終わり)
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今日の言葉
これからは演奏家としてまたリサイタルなどの演奏活動していきたいと思います。
私はフルートを吹くのが好きなのです。

蝙蝠から
2010年、金さんの「金昌国退任記念演奏会」には国内、国外から130名の教え子であるフルー
ティストが 東京藝術大学奏楽堂に集まりました。そのスピーチからです。
その前段は
「わたしはこれまで懸命に学生の指導をしてきました。おかげさまで、ここにいるのは自慢の
生徒たちです」

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