Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE   Info―1160号

□■□2015年11月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE
  Info―1160号
         山内雅夫が開けた希望の扉 
          神戸ビエンナーレNo5

1 蝙蝠日記  Christie’sが為したこと
2 神戸ビエンナーレに思う No5
3 今日の言葉  空海も大師も仏や神祇たちの脇に慎ましく座しているのである。 
 

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蝙蝠日記  孤立無援の思想から
ごく一部の人しかその仕事を知らず
ネットの世界でもマーケットでもほとんど情報がない。
信念の塊のような作家で、関係を紡ぐことも難しい。
その山内雅夫が何度も天から降りてきた蜘蛛の糸に引き上げられるように、奇蹟が繋が
って今を為した。
私であり一人の音楽家であり仁川学院長であり、今回のChristie’sである。
それは弧(ひとり)が弧(ひとり)に出会い、糸をなす。
糸はたった一人の琴線に触れ、それが巨大モニュメントを成し、イギリスのマーケットを開いた。
(詳しくは拙著「絵に生きる、絵を生きる」をお読み下さい)

私は、「たくさんの人へのメッセージでなくていい。1%の人に伝わる仕事をしよう」
と作家に伝えてきた。
これからは「たった一人の人でいい」と語らないといけない。
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昨日、Christie’sから明細が届き、改めて高額の落札に驚きました。
(ポンド、ユーロ、ドルの関係でピンと来なかった)
現在、開催中の価格は余に安く設定されていることを知らされました。
山内さんは無頓着なのですが・・・・
来年も招待されることが決まっています。
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会場は清浄な気配に満ちてとても気持ちのいい空間です。
ゆったりとお過ごし下さい。
是非、お運び下さい。
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神戸ビエンナーレに思う No5
書いていることは厳しいことばかりですが、勿論、いい作品、評価すべき
ところもあります。どんなに無駄な道路でも出来れば便利になる人もあり、無
駄な施設もそれなりに使われていきます。
ここで書いていることは、「これでいいの?」という「隠されり」「実態を伝えられてい
ないこと」で私が感じたことを今後の神戸のために書いています。非礼、おゆるし下さい。

コンペティション
「神戸ビエンナーレ」の特徴はコンペティションが中心であるということです。
第1回から実行委員会が誇ってきたことです。
アート・イン・コンテナ国際展:しつらいアート国際展:創作玩具国際展:コミックイラ
スト国際展:ペインティングアート展:グリーンアート展:現代陶芸展の8コンペでしょ
うか。そうとうの手間暇とお金がかかっていますので、大変ご苦労様なことです。
HPで読み取れる賞金総額で2200万円強のようです。
しかしそれがどれほどのレベルであり、権威であるのでしょうか。
ビエンナーレのHPにコンペ毎に大賞・受賞作品が掲載されています。昨今、至る所で開
催されているこうしたコンペと比較して、あるいはコンペに限らず、アートイベントで出
会う作品と比して図抜けた作品は見当たらないのではないですか。
HPの画像ではなく現場で見て下さい。そうとうの落差があります。
第1回で高らかに「1950年代 欧米で認知された前衛いけばなと具体美術の原点に立ち帰
る」「芸術文化の垣根を壊す働きをし、新しい芸術文化を創り出した」と謳った姿は見るこ
とが出来ません。
当時の「具体」と「前衛いけばな」の原点を言うのであれば、2015年現在、対峙すべき時
代精神を置き、それへの「前衛」とは何かを問わない限り「原点」も何もないのでは。
具体的な例を一つ
「しつらいアート国際展」の大賞作品「Hai chiizu Kobe」(ハイ・チーズ・こうべ)はタイ
トルとおりですが、みなさんはどう感じられますか。
中突堤中央ターミナル前の船着場との間にありますが、この窓に顔出しても全く美しい神
戸の記念撮影にはならないですね? 
http://www.kobe-biennale.jp/compe/shitsu/list.html
ここでも手を拡げすぎてコンペの規模も作品のスケールもこぶり過ぎて印象は薄くならざ
るをえません。

「神戸ビエンナーレ」と対極にあるのが「市民への還元が足りない」と存続の危機にある
「神戸国際フルートコンクール」です。こちらは4年に一度で事業費は5千万円ですが、
世界中のフルーティストの登竜門として、ここでの優勝・入賞はトップ奏者としてのお墨
付きとして定評が確立しています。
総花的な裾野しかない神戸ビエンナーレと、一点、屹立して耀いているけど裾野が広がっ
ていない「神戸国際フルートコンクール」。「フルコン」は4年に一度、時間をかけて裾野
を広げて「フルートの街・神戸」へ向かおうとしています。
「ビエンナーレ」は2年に一度で3億。「具体」のスピリットなどどこにも見えません。
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次回に総括を書くつもりですが、それは会期終了の23日になりそうです。
それまでにいける方は是非、お運びいただき自分の目でどうぞ。
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第1回、2007年の神戸ビエンナーレの立派な報告書があります。2008年3月刊行のもの
です。さすがに第1回で、熱気があります。これだけをやり遂げるのは大変だったことは
良く伝わります。
開催100日前から閉幕まで、188事業(連携・共催)に160万人、とあります。
これらはビエンナーレの旗を揚げた(フラッガー)だけのものがほとんどで、それがビエ
ンナーレ効果とカウントされているのです。
こんな例は、他では見られないことです。
逆さまに考えればビエンナーレなかりせばそれだけの人が来なかったということになるの
でしょうか。
この報告書でも財政や、来客のカウントについての考え方は明記されていません。
(次回で一応、総括して、要約を資料として纏めます)
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今日の言葉
私たちが今日の高野山で出会うのは大師信仰でも宗祖空海への尊崇でもなく、高野山自体
が漠とした祈りの対象となって存在していうという事実だということになろうか。(略)
高野山という壮大な信仰の山があるということであって、そこでは空海も大師も、古来か
らそれほど変容していない日本人の信心の一隅を占めるばかりの存在となって、仏や神祇
たちの脇に慎ましく座しているのである。 
高村薫「空海」(新潮社) P158
蝙蝠から
不思議な縁で10月、11月と二度、高野山に上りました。
最初は榎忠さん井上廣子の出展する「いのちの交響」展へ。
今回は高村薫さんの「空海」を読んでです。
私のとっての「浄土」への巡礼かもしれません。

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