□■□2015年8月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE
Info―1123号
私の夏休み ああ無情
1 蝙蝠日記 夢と現実
2 鴨居玲展の見どころ
3 没後30年展 鴨居玲と神戸 関連企画トーク「絵に生きる」
窪島誠一郎さんの話し 残席 僅かです。
3 今日の言葉 美術家は、人間性による人間性の洗濯屋である
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蝙蝠日記
結構ながい夏休みのはずでした。
8月5日に展覧会を終了。7日まで片付け。8日、ギャラリーのメインテナンス。
9日はKobe Art Award.の贈呈式。そのあと鴨居玲作品の準備に重ねて、収蔵倉庫の
引越しのための作品整理、そして引越し。
やっとたどり着いた夢に見た夏休みは、なんの実感もなく駆け足で通りすぎようとして
います。
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夢はこうでした。
金沢21世紀美術館、越後妻有トリエンナーレ、梅野絵画記念館(長野)、名古屋市立美術
館「画家たちと戦争展」、東京で孫たちと過ごしながら、森美術館、東京国立近代美術館で
の「戦争画展」、作家アトリエ訪問 などなど
あとは、どのように回るかでした。
現実はこうでした
なにひとつ出来ませんでした。毎日ギャラリーにいます。ああ無情。
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何故か
22日からはじまる鴨居玲展の準備に追われています。
人間としてあるがままの鴨居玲を神戸での交流を追いながら紹介するユニークな展覧会に
したいと思っています。そのために資料や作品をお借りするために奔走しています。
新しく倉庫を借りることにしました。
現在、須磨にある倉庫は私の旧宅ですが、保管する作品にとってはいい条件とはいえない
ので経営的には大変なのですが物件を探していました。
灘区に借りることにし、在庫の整理に追われています。
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ようやく島田陽、容子(次男夫妻)と大阪のDojima River Biennale2015と国立国際美術
館のヴォルフガング・ティルマンス「Your Body is Yours」を見てきました。
今日が倉庫の引越し、これから鴨居玲関係の作品の借り出しと展示が始まります。
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この間、敗戦を記憶し続ける日々が続きました。これまで、どちらかと言えば「忘れない」
という記憶する日々だったこの季節が安倍総理のおかげで、それでは済まない、「重大危機」
状態であることを教えられ、未来を選びとるのは国民たる私たちであることを露にしてくれました。
お任せではなく、わが事として立ち上がれと様々に反面教師として演じてくれています。
「ありがとう」と立ち上がった若者たちに未来への可能性を感じます。
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9月以降に続く展覧会も、様々に想いが籠り、困ってしまいます。どこまでやるだろう。
みなさま、よろしく。
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「鴨居玲と神戸」の見どころ
鴨居玲作品の大作を含めたすぐれた作品十数点。
公式には未発表の
「遺書」(石川県立美術館蔵)
「切り裂かれた教会」(関西学院蔵)
パレット、直筆の手紙や、鴨居さんの意外な素顔をみせる写真、イーゼルや身の周り
の品々。
鴨居玲さんと交遊のあった神戸の画家たちの珍しい作品などなど。
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第296回 土曜サロン
没後30年展 鴨居玲と神戸 関連企画トーク「絵に生きる」
2015年8月22日(土)17:00―
窪島誠一郎(信濃デッサン館・無言館館主)をお招きしてお話ししていただきます。
会費 ¥1000 残席僅かです。
*直前まで夏季休廊の為、ご予約はFaxかメールが確実です。
*展覧会の初日ですが、16:30からはトークの予約者しか入れませんのでご留意下さい。
鴨居玲展についてはこちら
http://gallery-shimada.com/?p=3128
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今日の言葉
美術家は、人間性による人間性の洗濯屋である。人間性を神秘なものにして了
ってはいけない。自分達の身辺にいつでもころがっている。これをしっかり掴
むことにより芸術家としての基礎ができるのだ。P60
・
(言論統制や表現の自由への軍部の干渉にたいして)
「沈黙することは賢い。けれど今ただ沈黙することが凡てに於いて正しい、のではないと信じる」p99
・
私たち若い画家が、実に困難な生活環境の中にゐて、なお制作を中止しないと
いうことは、それが一歩一歩人間としての生成を意味しているからである。
例え私が何ごとも完成しなかったとしても、正しい系譜の筋として生きるなら
ば、やがて誰かがこの意志を成就せしめるであろう。P100
・
「戦争画は非芸術的であると言うことは勿論ありえないのだから、体験もあり、資料も豊かであろう貴方達は、続けて戦争画を描かれたらいいではないか」 松本竣介が1945年10月に朝日新聞に投書した言葉(不採用) p205
蝙蝠から
松本竣介のこれらの言葉は山口泰二「変動期の画家」(美術運動史研究会=水声社刊)からの引用で、その本の引用ページを示しています。 「貴方達は、続けて戦争画を描かれたらいいではないか」は痛烈ですね。
しかし戦争画を描いた画家たちだけではなく、沈黙した多くの芸術家に対して
もその批判は向いているのです。
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公益財団法人「神戸文化支援基金」(こぶし基金)は兵庫・神戸の文化の土壌を
豊かにする芸術活動に助成しています。
http://www.kobushi-kikin.com/
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