Gallery SHIMADA メールマガジン 1067 号

□■□2015年2月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE
  Info―1067号
         
       しのびよる暗い時代の歌「シャンテ」の数奇な足取り
        海文堂書店から神戸ゆかりの美術館へ   

1 蝙蝠日記   今の時代だからこそ
2 展覧会案内  日々、変っていきます
3 加川広重さん 今日の「あなたへー往復書簡」(神戸新聞)
4 今日の言葉 絶望の中にあってどういう抵抗の方法があるのか(なかにし礼)

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蝙蝠日記  今の時代だからこそ見て欲しい、感じて欲しい
1920年代から30年代にかけて、パリを中心に活動を続け、帰国後は阪神地区の美術文化
の発展に尽くした洋画家、角野判治郎(1889―1966)の大作「シャンテ」が神戸ゆかり
の美術館で展示されている。
http://www.city.kobe.lg.jp/culture/culture/institution/yukarimuseum/tenrankai/index.html フランス語で「歌」を意味する「シャンテ」は1937(昭和12)年の文展に出品された。
縦1.3、横3.8m.ギターに合わせて歌う男たちの目や口は黒く塗りつぶされ、驢馬がヴァ
イオリンを弾く。フランス仕込みの明るく、しゃれた画風が特徴の角野さんの作品の中で
は、極めて異質。渡欧していたころ、ドイツではナチスが政権を握り、大恐慌や二・二六
事件などの時代背景を強く反映した異色の作品です。
▲文展出品後、「シャンテ」は自宅のある神戸・須磨のアトリエに眠っていたが、角野さ
んの没後、私は縁あって作品の整理に立会い、36点の作品を小磯記念美術館に寄贈、この
「シャンテ」は託されて発表から55年ぶりに海文堂に飾られた。
憶えておられるだろうか。飾られた2階への踊り場の右手壁は、この「シャンテ」のため
に用意されたようにぴったりだった。
・しかし2013年9月末で海文堂書店も閉じられ、元町から男手5人で担いで北野のギャ
ラリー島田まで運んで保管。粘り強くお願いをして「神戸ゆかりの美術館」への収蔵が
決まり安堵しました。発表から55年で海文堂へ、それから23年で神戸ゆかりの美術館で
安住の地を得ました。
その模様を下記で
http://gallery-shimada.com/blog/?p=5294

 神戸画壇の重鎮でありながら、生前、一度も個展を開かず、一枚の絵も売らなかった
角野さんの主要作品が小磯記念美術館に、そして記念碑的な大作が神戸ゆかりの美術館
に収蔵されたことによって、最良の居場所を得たことになります。
「シャンテ」から聴こえる歌は、いままた微かに聴こえてくる暗い時代の響きを伝えて
います。いづれ勇ましい戦への轟音のなかにかき消されぬように願いながら見つめて
きました。

神戸ゆかりの美術館 企画展 「アーカイブ/港町の情景 時代を語る絵画」にはたくさん
の私が展覧会を手がけた作家さんが並んでいます。
カタログ順に挙げれば
別車博資、坂本益夫、菅原洸人、徳永卓魔、川西裕三郎、西村功、中西勝、河本和子、
長尾和、成田一徹、トーマス・マックナイト。津高和一。

今回のもう一つの見どころは、1922年創業、90年の歴史を持つ 「アカデミー・バー」
の壁画をエピソードにした展示です。
私も何度か足を運んだ名物バーで、神戸の著名画家たちが壁に落書きをしています。
落書きの主たちの作品を集めて展示しているのも「神戸の残り香」に違いありません。
ブログの写真で黒地に白い形が浮かんでいるのが壁に残された作家たちの絵の位置、その
向こうに、その作家たちの作品が並んでいます。
「アカデミー」という懐かしいサロンと作家たちの交流。今、残しておかなければという
心意気、これぞARCHIVEですね。
http://gallery-shimada.com/blog/?p=5294
因みに成田一徹さんの「アカデミー・バー」の壁画を切り絵作品も展示されています。
是非、お運び下さい。
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ずっと続けている、美術作品の「居場所」を求めての寄贈・仲介プロジェクトも
299点となりました。
■■■展覧会案内■■■■■■
「物語を紡ぐ」ギャラリー島田コレクションから 2月7日(土)〜2月18日(水)
 会場風景をご覧下さい。
http://gallery-shimada.com/blog/
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今日の「あなたへー往復書簡」(神戸新聞)は加川広重さん。12日の菊本千永(洋舞家)さんへの返信です。菊本さんは藤田佳代舞踊団のメンバーで、昨年のKIITOで「届ける」 を踊られました。どちらもとてもいい文でした。
■■今日の言葉 
ぼくは絶望しているんですよ。こんな時代がね、生きている間にくるとは本当に思わなか
った。
絶望の中にあってどういう抵抗の方法があるのか。目下思案中。
一時でも長く戦争のない時間を延ばすことが最低限の知性であり、抵抗であろうと思うん
ですよ。正直にものを書くしかない。自分の書斎で書きためていく。それが死後発見され
るかもしれないけど、それでもいい。
なかにし礼(作家・作詞家)「人生の贈りもの」(朝日新聞 2月12日 夕刊)から
の抜書き

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公益財団法人「神戸文化支援基金」(こぶし基金)は兵庫・神戸の文化の土壌を
豊にする芸術活動に助成しています。
http://www.kobushi-kikin.com/
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■発行元 ギャラリー島田・アートサポートセンター神戸