Gallery SHIMADA メールマガジン 1063号

□■□2015年2月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE
  Info―1063号
         大仕事を終えて

1 蝙蝠日記   お休み
2 容子日記   70年も生きるつもり
2 今日の言葉 理想主義の必要性と実際性への信念を失うことなく

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容子(やすこ)日記 
大仕事を終えて
あと70年も生きるつもりの私がすでに「一世一代の大仕事」と言ってしまった、
今回の加川プロジェクト。

阪神淡路大震災当時、私は中学生でした。神戸で、震源にわりと近い地域に住ん
でいましたが、被害は少なく、家は半壊程度。
電気も数時間後に復旧しましたので、テレビで長田地区の火事の様子を机の下に
もぐりながら見ていました。水の復旧は遅く、お風呂には何週間も入れ なかっ
たように記憶しています。

大学は、東京の大学に行きましたので、神戸出身者はめずらしく、「神戸出身=
地震」とみんなから言われました。震災経験者であるという何か役割の ような
ものを期待される(大袈裟ですが)ことにびっくりし、なんだかトラウマのよう
な異物感が発生したようにも思います。

卒業後、神戸に戻り、毎年1.17を迎えるごとに何も変わらない自分がいました。
3.11が起こり、被災地に出向くことはありませんでしたが、加川プロジェクトが
始まり、関わることになりました。
こうした震災を考える機会に参加することは、ある意味自分を癒しているのでは
ないか(それが良いとか悪いとかではなく)、
と何か本筋ではない感覚が一番大きく占めていた一昨年と昨年でした。

今回は、加川さんの向き合ったテーマが「フクシマ」であること、「フクシマ」
と対をなすように宮本佳明さんの「福島第一原発神社」を展示すること になっ
たこと。さらに、プロジェクトの芯を「建築」としたことで、「建築」自体の重
みもあいまって、
プロジェクト全体が深く重いテーマを抱えましたし、ベースが「建築」である私
にとっては個人的にも大きな意味をもちました。

また、一回目の2013年、二回目の2014年と、回をかさねるごとに規模が大きくな
り、関わる出展者・出演者やスタッフにいたるまで、発起人で ある島田誠とは
「はじめまして」の場合が多く発生し、関わるみなさんと共通認識を持つことの
重要性と難しさを、実働部隊として身をもって知ること になりました。

手に負えない規模であることを分かりながらも、どうすることもできず、でも、
どうしてもやり遂げなければいけない、と私を駆り立てたのは、
直接に関わらせていただいたみなさんの「真剣さ」に触れたこと。(それは普段
のギャラリーの仕事でもそうなのですが、状況がそれを濃縮かつ鋭利にし、受
けとめるのには相当の覚悟とエネルギーが必要でした)
また、もう30年目はないかもしれない、30年目にはリアリティをもって後世に伝
えられる世代が大減少してしまう、という危機感が増してきたこと。
そして、東北への思い、神戸の私達なら東北に寄り添えるかもしれない、という
思いが強くなったこと。
以上のことからだったように思います。

島田誠の「種蒔き」のこと、今回、ようやくほうぼうから芽が顏を出したような
気がしていて、その意味で、成功したのじゃないかな、とホッとしています。

また、大学時代に認識させられた「震災経験者であること」を、今ようやく咀嚼
できたようにも思います。
20周年の東遊園地には例年の3倍もの人が集ったそうですが、それだけ、やっと
咀嚼できた・向き合うことができた人が増えた証拠でもあるのかな、と思います。

laborやworkではない「やるべきこと」と思える「仕事」をさせていただける境
遇に、あらためて感謝しつつ、このプロジェクトで繋がったみなさんとともに、
今後も、震災のこと、日々のこと、日本のこと、真摯に向き合っていきたいと思い
ます。  

スタッフの島田容子の日記で、普段は毎月発行される画廊通信の小さなコラムです。
したがってメルマガの読者には届かないと思いますので、ここで紹介させていただきました。
今回、加川プロジェクトに多くの感想を寄せていただきました。
他のスタッフたちは、関ったことから学んだことを語り、来れれた方からは体験したことからの深い
感想をいただき、おおきな励ましをいただきました。いずれも素晴らしいものでした。
いずれ纏めて読んでいただけるようにしたいと思います。

laborやworkではない「やるべきこと」と思える「仕事」に燃えたチームを誇りに思い、未来への
希望を感じました。
■■今日の言葉 
(敗戦によって)うちひしがれた日本は、このような凄まじい状況のなかで再出発の離れ
業に立ち向かい、新憲法に具体化された「平和とデモクラシー」の理想に、社会のあらゆ
る層の人々が奮い立ったのでした。政治やイデオロギーの衝突は戦後日本にいつもありま
した。しかし、じつに多くの日本人が豊かで平和を愛する社会を懸命に創りあげた、その
草の根の回復力、規律、反戦の理想は、どれほど称賛してもしつくせるものではありませ
ん。
 この危うい時代に新年を迎えるのあたって、真摯で責任ある批判的学問の伝統が、平和
と正義という目標を見失うことなく、理想主義の必要性と実際性への信念を失うことなく、
世界中で栄えていきますようにと、心から願います。
ジョン・W・ダワー(歴史家)1月1日 朝日新聞からの抜粋
蝙蝠から
ダワーさんの文の前段から
第2次世界大戦での死者
民間人の被害者数:3800万〜5500万(飢饉病気による1300万〜2000万)。
軍人の被害者数:2200万〜2500万。捕虜としての死者数も含む。
日本
兵士  210万人
民間人 100万人

ベトナム戦争
軍人 146万人  
市民 667万人 (行方不明を含む)

イラク戦争
アメリカ軍  4500人
イラク人   10倍以上 及び その後の混乱

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■発行元 ギャラリー島田・アートサポートセンター神戸