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■□■□2020年2月 Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE Info―1530号 2月22日

■□■□2020年2月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE Info―1530号 2月22日
 
              天下の悪筆

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1 蝙蝠日記

2 展覧会へのお誘い  暮らしの中の 永田耕衣展  今日から
            金子善明展  知層・地層  今日から

3 今日の言葉  枯草の大孤独居士ここに居る (耕衣最後の一句)
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1 蝙蝠日記  永田耕衣 生誕120年に
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1997年8月に97歳で亡くなられた俳哲翁。今年は生誕120年で姫路文学館で
永田耕衣展が開催されています。
前衛的・哲学的な俳句を読むとともに書や絵も良くし、その独創性において
高い評価を得ている。その思想、生き方など、強く惹かれるものがある。
「出会いは絶景」を口癖に人間観を根源的に詠う俳句。
「あんな悪筆は天下に類を絶する。悪筆もここまでくれば神に近し」と小野
蕪子に評された書、棟方志功との交流の中から生まれた個性あふれる描画。

耕衣の世界を私たちの日常で飾る=生きるとすれば・・・・

とてもユニークな空間が表出しました。是非、下記でご覧ください。

http://gallery-shimada.com/?p=6723

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2 展覧会へのお誘い
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金子善明展  知層・地層  2/22(土)〜3/4(水)
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人類の幸せの叡智の詰ったはずの本は、歪んだ知層となり、地球の地層と似
てきた。文字が発明され繰り返される億年の日々がその根底に照射されると
新しい相貌として立ち現われてくる。そうした書物は時を経て戦争、検閲、
天災、劣化、無関心などに晒されてきた。
金子はそうした書物の無数に整列された文字たちが、溶液によって溶かされ
(解かされ)、ときには、不意打ちのように何者かに貫通され、分解される。
そしてギャラリー空間そのものが、大きなエネルギーとなって一つの作品と
なって語りかけてくる。

http://gallery-shimada.com/?p=6720

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3 今日の言葉  *永田耕衣誕生から百二十年になります
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枯草の大孤独居士ここに居る  (耕衣最後の一句)

泥鰌浮いて鯰も居るというて沈む

露白の脳髄の蠅びいきかな

人生を空費して居る柳かな

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■□■□2020年2月 Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE Info―1529号 2月17日

■□■□2020年2月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE Info―1529号 2月17日

               清冽
    自分を律し、慎み、志を持続して成すべきことを果たす
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1 蝙蝠日記  自分の感受性くらい

2 展覧会から  黒川紳輝展

3 今日の言葉   淡々と生きて行け!
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1 蝙蝠日記
  茨木のり子 さんの命日  2006年2月17日 に亡くなられました
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自分の感受性くらい

ばさばさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて

気難かしくなってきたのを
友人のせいにするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった

駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ

倚りかからず

もはや
できあいの思想には倚りかかりたくない
もはや
できあいの宗教には倚りかかりたくない
もはや
できあいの学問には倚りかかりたくない
もはや
いかなる権威にも倚りかかりたくはない
ながく生きて
心底学んだのはそれぐらい
じぶんの耳目
じぶんの二本足のみで立っていて
なに不都合のことやある
よりかかるとすれば
それは
いすの背もたれだけ

茨木さんの代表作である。

恋歌

肉体をうしなった
あなたは一層 あなたになった
純粋な原酒(モルト)になって
一層わたしを酔わしめる

恋に肉体は不要なのかもしれない

獣めく

獣めく夜もあった
にんげんもまた獣なのねと
しみじみわかる夜もあった

シーツ新しくピンとは張ったって
寝室は 落ち葉かきよせ籠り居る

「恋歌」「獣めく」は「茨木のり子の家」(平凡社)の自筆原稿から。

メルマガのタイトル「清冽」は後藤正治さんが茨木さんを書かれたタイトル。
今回は後藤正治ノンフィクション集 第10巻からの引用。実は、その後に
「奇蹟の画家」が収録されている。
単行本、文庫本、全集とそれぞれに後書が違うのですね。
只々、有難いことです。

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2 展覧会から  黒川紳輝展 ブログ
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ギャラリーもパティオも不思議な空間となり、会期中もまた変転しています。
その魅力をスタッフがブログでご案内いたします。

http://gallery-shimada.com/blog/?p=9561

黒川紳輝 展
藤崎孝敏 展 「暁闇」コレクション+
どちらも19日(水)までです。
ご来廊おまちしております。

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3 今日の言葉
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絶望が虚妄なること まさに希望に相同じ
絶望といい希望といってもたかが知れている
うつろなることではふたつともたかが知れている
そんなものに足をとられず
淡々と生きて行け!

茨木のり子集 言の葉 ある一行 P97

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■□■□2020年2月 Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE Info―1528号 2月12日

■□■□2020年2月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE Info―1528号 2月12日

               暁闇
            逝いてゆく者たちへ
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1 蝙蝠日記  暁闇が伝えること

2 展覧会へのお誘い  藤崎孝敏 展  「暁闇」  コレクション+
            黒川紳輝 展

3 今日の言葉  無音も音楽の世界の一部
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1 蝙蝠日記  藤崎孝敏の「暁闇」が伝えるもの
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いたわりの鏡  
私が描かなければ
誰も知られられず 逝いてゆく者たちへの想い
それは とりもなおさず
  アーティスト自らへの憐憫にもなるのです
  偉大なる芸術への道を志すアーティストもいるでしょうが
私はいわゆる 
  リアリティーの目といたわりの目の両岸を開いて見る力はありません
  片目を閉ざし
私にしか開くことの出来ぬ その眼差しだけで
その逝いていく者たちの肌を少しばかり擦ってあげることだけです