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■□■□2018年8月 Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE Info―1434号 8月30日

■□■□2018年8月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE Info―1434号 8月30日

             谷川俊太郎と須賀敦子    
        ――すべての人とおなじになる――
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1 蝙蝠日記  ウンベルト・サバの詩 「町のうた」

2 展覧会へのお誘い  9月1日から二つの展覧会がはじまります

3 「なんでももってけ!!!!市」ご報告

4 今日の言葉 若い人たちのために、これだけは言って置かねばならない
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1 蝙蝠日記  「詩人なんて呼ばれて」
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谷川俊太郎と尾崎真理子「詩人なんて呼ばれて」(新潮社)が面白く、再読
している2001年のエッセー集「ひとりくらし」(草思社)に触れたところで
前回、深く感じなかった一節、99年3月21日に「寝がけに須賀敦子を読み」
とありウンベルト・サバの詩
「…じぶんの そとに出て、みなの 人生を生きたいという、あたりまえの
日のあたり前の人々と おなじになりたいという、 のぞみ。」という一節
を見つけて胸を打たれた。P309
とある
「ウンベルト・サバ詩集」(須賀敦子訳:みすず書房)を開く  P202-208

町はずれ
あたらしいことがぼくに
起きたのは、この
町はずれであった

それは虚しい
ためいきみたいで、
自分から抜け出たいという、
みなの人生を生きたいという
のぞみ、あらゆる
人と同じになりたい
という。

あれほどの歓びに出会ったことは
かってなく、人生に期待もしない。
あのとき、ぼくははたちで、
病んでいた。町はずれの
あたらしい道で、
ためいきほどの虚しいのぞみに
とりつかれたのは。

なつかしい
幼年のころには、
裸の丘にしがみつく、
ちいさな家が、何軒か
散らばっただけの場所に。いま
人の労働が火照り、
新しい町が建ちはじめていた。その中で
ぼくがはじめて受けとめた、あまくて
虚しいのぞみ、
じぶんの生を、熱い
みなの人生に入れ込むという
すべての日の、
すべての人と
おなじになるという。

みなを信頼する
こと、みなにわかる
ことばをつかい、
ちょうどパンやぶどう酒のように、
こどもや女たちのように、みなが
大切にすることをする。
だが、ああ、一隅だけ
じぶんのために、とっておいた紺碧の
天窓。
そこからじぶんをつくづく眺め、じぶんを
超えるとき、わがものとなる高々とした
歓喜を愉しむために、
人びとのなかで、
ひとりのヒトでいるために。

後略

私も深く共感しました。

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2 展覧会から展覧会へ
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WAKKUN展「種」  旅の窓から
連日、賑わっていました。
ありがとうございました。

今日は新しい展覧会の準備です。
ギャラリー島田のHPをご覧ください。
http://gallery-shimada.com/

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3 「なんでももってけ!!!!市」 お礼
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沢山の方にお持ち帰りいただき、私が置いておきたい20冊程の美術雑誌を除
きすべて「もってって」いただきました。
お気持ちを募金箱へご寄付くださった¥85,604を
被災地NGO恊働センターの災害救援金へ寄付させていただきました。
http://www.ngo-kyodo.org/

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4 今日の言葉
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これから芸術に携わる仕事に就きたいと考えている若い人たちのために、
これだけは言って置かねばならない。
芸術は自己実現ではない、芸術によって実現し輝くのはあなたではなく、
世界、外側の側なのだ。

(29日 朝日新聞 文芸時評 磯崎憲一郎「芸術と日常」)

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■□■□2018年8月 Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE Info―1433号 8月18日

■□■□2018年8月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE Info―1433号 8月18日

          さてさて 収拾がつかない     

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1 蝙蝠日記  捨てなければ

2 展覧会へのお誘い  WAKKUN展「種」
            旅の窓から

3 「なんでももってけ!!!!市」

4 今日の言葉  権力にさからい、これと戦った無名の人びと

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1 蝙蝠日記   捨てなければ
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ギャラリー は40年 思い切って断捨離
人とのしがらみも少ない方がいい。
だから求めない。

どちらかといえば孤独がいい。

でも相談事が途切れなくある。半端ない。

これが辛い。

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2 展覧会へのお誘い
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WAKKUN展「種」   8/18(土)〜29(水)
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一九五〇年にボクは神戸の長田で生まれました。
子どもの頃から山や街の中の空地や路地で毎日遊んでいましたが、そして、
もう1つ大切で大好きな時間が絵を描くことでした。
少年ケニヤ等の絵物語や映画やマンガ等で心が動いたことを軸にして自分な
りの物語や世界をこさえて絵を描いていました。
くらしの中で味わった出来事や出会った人、読んだ本からたくさん種をもら
い、それを表現したくなり絵を描いて、気がつけば68才になっています。
「ボクに種をまいてくださった多くの方々、出来事に感謝を込めて、今後も
絵を描いてゆきます」展をしたいと思います。
WAKKUN

会期中にはライブトーク ライブコンサートもあります。
下記をご覧下さい。
http://gallery-shimada.com/?p=5438

WAKKUNらしい展示作業風景です。
http://gallery-shimada.com/blog/?p=7900

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こうもり鉄道でゆく「旅の窓から3」 8/18(土)〜29日(水)
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ギャラリー島田コレクションから
植松永次 山口牧生 東影智裕 クボタケシ 木下佳通代 築山有城 
杉本裕子 などなど
http://gallery-shimada.com/?p=5441

空間全体がまた立体作品になっています。(構成 猪子大地)
http://gallery-shimada.com/blog/?p=7915

猪子大地は20日をもってギャラリー 島田を卒業します。
どうぞお越しください。

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3 「なんでももってけ!!!!市」  8/18(土)〜
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今日から一階のギャラリー島田Troisで「なんでももってけ!!!!」
美術書 美術雑誌 展覧会カタログ 作品
書籍 ポスター グッズ それに大量の絵葉書など
オリジナル作品のついた限定版の高価な作品集や稀なポスター、など
ありえない あり得ない  有り得ない arienai  アリエナイ ・・・

11:00 開始です。
http://gallery-shimada.com/blog/?p=7919

もっと凄いことになっています。

島田誠の著書も限定数ですが署名・蝙蝠印で出品いたします。

値段はつけません。お気持ちを募金箱へご寄付ください。
被災地NGO恊働センターの災害救援金へ寄付させていただきます。
http://www.ngo-kyodo.org/

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4 今日の言葉
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時代の流れを握った者だけが歴史を作るのではない。権力を握った者だけが
偉大なのではない。
ここには権力にさからい、これと戦った無名の人びとがおおぜい出てくる。
これらの少年たちは、みずから強い意志をもってそれぞれの人生をまっとう
した。
したがって彼らはその人生においてヒーローだ。
そしてもし無名の無数の人びとがみなヒーローでなかったら、歴史をたどる
ことになんの意味があるだろうか。
なぜならわたしたちの多くはその無名のひとりなのだから」

(若桑みどり「クアトロ・ラガッツィ」から)

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■□■□2018年8月 Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE Info―1432号 8月15日

■□■□2018年8月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE Info―1432号 8月15日

               敗戦記念日に

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1 蝙蝠日記  終戦とは言いたくない

2 「なんでももってけ!!!!市」  8月18日(土)から

3 今日の言葉  この国の最大の問題は<老害>と<男性害>です
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1 蝙蝠日記   ちょうど孫の迪のころ 私は疎開していた
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73年目の敗戦記念日です。終戦とは言いたくない。
当時、私は2歳9ヵ月。ちょうど孫の迪のころ。
私は母に連れられて年子の姉二人と新潟へ疎開していた。
自身の記憶としては何もないけど。
いかに大変であったかは母から聞いている。

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2 「なんでももってけ!!!!市」
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ギャラリー が海文堂書店でスタートして40年。北野にきて18年。
スタッフが崖っぷちに一念発起。
夏休み返上で大整理に着手。
様々な機器もリニューアル、整理の出来ない私に業を煮やして
大整理に着手。

その歴史を知るのは私しかいないので、いきおい私も返上で「立ち合い」。
廃棄されないよう「ちょっと待って」と手伝いながら、つい見入ったりして
邪魔をしています。

8月18日 から一階のギャラリー島田Troisで
「なんでももってけ!!!!」市を開催します。
美術書 美術雑誌
展覧会カタログ 作品
書籍 ポスター グッズ
それに大量の絵葉書など

値段はつけません。お気持ちを募金箱へご寄付ください。
被災地NGO恊働センターの災害救援金へ寄付させていただきます。
http://www.ngo-kyodo.org/

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3  今日の言葉
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下駄を脱がせろ 女性に任せよ

この国の最大の問題は<老害>と<男性害>です。
いわゆる偉い人はみな男性だという状況をかえなければならない。
基本的に<若い女性>に任せれば平和になります。

目加田素説子(中央大学教授)
「日曜に想う」 朝日新聞 8月12日から

同感です。
私はその二つの害を持っています。

世界経済フォーラムの男女平等度で日本は144ヵ国中の114位だという。

こういうことを恥ずかしいと思わない「害人」を徐々に、そして意識的に駆除
していき、いずれ私も駆逐してほしい。

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■□■□2018年8月 Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE Info―1431号 8月12日

■□■□2018年8月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE Info―1431号 8月12日

           みなさま ありがとうございます

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1 蝙蝠日記  メルマガや通信の読者のみなさま

2 新しくなったギャラリー 島田でお迎えします
  40周年 後半のスタート(予告)

3 アート・サポート・センター神戸より
  モーツァルトファンのみなさんに贈る対談コンサート (ご優待)

4 今日の言葉  「話し合い」ではなくて、むしろ「黙りあい」を
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1 蝙蝠日記   ひたすらに書き続けてきて
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面白いこと、気の利いたことも書いていないこのメルマガをよくぞ受け取り
つづけて下さっていますね。ありがとうございます。

このごろ鬱陶しい話題もおおく
乱れたこころの内まで書き
読む方は、たまらないだろうと思っています。

メルマガのいいところは「いいね」のボタンがないところです。
受けを気にせずに書けるところでしょうか。

私も多くの方からお誘いをうけるFACE BOOK や INSTAGRAMは応答せず、化石
状態に敢えて身を置いています。

このメルマガも2004年のシステム障害で1000名くらい送信できない方が生じ
2500名くらいまで復旧してきたのですが、この時代おくれのメールマガジン
なのできっと減っているのではと思って、履歴を調べてみたら、今も少しず
つ増えているのに驚きました。

前号の発信数が3179名でした。

gallery-information に連載している蝙蝠日記なども書き続けているので、
もううんざりと思うのですが

ありがたいことです。

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2  40周年記念 後半がはじまります。
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WAKKUN展「種」 8/18(土)〜29(水)
http://gallery-shimada.com/?p=5438

40周年記念 こうもり鉄道でゆく「旅の窓から3」 8/18(土)〜29(水)
http://gallery-shimada.com/?p=5441

そして、なんとなんと
「なんでももってけ!!!!市」をギャラリー島田Troisで開催します。
お楽しみに。
詳細は追って。

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3  アート・サポート・センター神戸 ご優待コンサート
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モーツァルトファンのみなさんに贈る
対談コンサート 

旅歩き大好きなドイツ文学者そしてエッセイスト池内紀さん
モーツァルトのスペシャリストであり研究家でもある久元祐子さん
日本人で唯一のベーゼンドルファー・アーティストがベーゼンドルファーで
弾くモーツァルト

♪ ♪  ♪  モーツァルト、旅、そして神戸  ♪  ♪  ♪  ♪
主演 池内 紀  久元祐子
8月23日(木) 開演 15:00 (開場14:30) 
料金 2,000円(全席自由席)(ご優待 1800円)

文化ホール(大倉山) 中ホール

http://www.kobe-bunka.jp/hall/event/detail.php?id=3047

文化ホールプレーガイド、あるいは当日受付でアート・サポート・センター
神戸の紹介であることを伝えて下さい。
お友達も誘って、どうぞ。

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4  今日の言葉
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現代人が失いかけているのは「話し合い」などではなくて、
むしろ「黙りあい」だ

寺山修司

8月10日 鷲田清一 折々のことば から
寺山の言葉はネットの世界が出現するはるか前の発言である。

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■□■□2018年8月 Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE Info―1430号 8月9日

■□■□2018年8月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE Info―1430号 8月9日

          KOBE ART AWARD     

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1 蝙蝠日記
KOBE ART AWARD

2 今日の言葉
人間の価値とは、ひとえに、勤勉であること、誠実であることです。
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1 蝙蝠日記   愛情と尊敬によって
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公益財団法人「神戸文化支援基金」が、1992年の公益信託「亀井純子文化基
金」設立から数えて20周年を迎えて新しく始めたのがKOBE ART AW
ARDで、今年で7回目となります。
その理念については下記をご覧下さい。
http://kobushi-kikin.com/kaa.html

今年の受賞された皆さまは
【大賞】スズキコージ(画家)           40万円
【大賞】Ensemble Sonne 岡 登志子 (ダンサー)   40万円
【地域貢献賞】元町映画館 (映像)         10万円
【地域貢献賞】神戸映画資料館 (映像)       10万円

KOBE ART AWARDには権威があるのか?
ありません。
多くの市民の皆様から寄付を託されて贈呈先を選ばせていただくのが財団の
役割です。
権威のかわりに、地域への大きな愛情とアートに関わられる皆さんへの大き
なレスペクトをもってお贈りするのがこのAWARDです。

贈呈式も簡素で手作りです。
こんな感じです。
http://kobushi-kikin.com/blog/?p=206

朝日新聞が報じて下さいました。
https://www.asahi.com/articles/ASL864TCLL86PIHB00N.html
毎日新聞は後日、しっかり書いて下さるそうです。

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2 今日の言葉
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人間の価値とは、ひとえに、勤勉であること、誠実であることです。学歴の
高い低いを問わず、きちんとした人は名もない庶民の中に大勢います。そう
いう人らが、社会を底辺で支え続けてきたのです。宮本常一を例にあげるま
でもなく、生活誌にせよ民俗誌にせよ、勤勉且つ誠実な無名の庶民(亡き先
人、そして今ある人々)への尊敬が土台となって良質な研究が積み上げられ
てきたわけです

柳原一徳(みずのわ出版)

神戸で創業した、みずのわ出版。現在は周防大島で農業を行いながら極めて
厳選され質の高い出版を続けている。
それらの装幀はすべて林哲夫さん。

上の言葉は柳原の日々のことを細々をメモ帳に記した「日録」先月の7月から。
極めて読みずらいけど、面白く、それが農業という地べたから発せられる言
葉だから、空疎な観念の言葉は全くない。

私はみずのわ出版の出版する本はすべて買う。そして裏切られることはない。

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